サービスたっぷりに怖がらせてくれるオカルトホラー(点数 75点)
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ホラー映画ばかり見ているので、ある程度は慣れているが、これはなかなか怖かった。
正確にいうと、大きな音と一瞬の恐怖映像で何度もビックリしたということだが、それも「怖い」のには違いない。
ジェームズ・ワン監督は「インシディアス」も結構怖さを感じさせてくれた。恐怖演出が実にうまい。
その手腕が十分に発揮された秀作である。
物語はいわゆる「ゴーストバスターもの」と、「家もの」の合体だ。
舞台は1971年のアメリカ、ロードアイランド州ハリスヴィル。ある一家が移り住んだ屋敷で、次々と怪異が起こる。
一家は、数々の心霊事件を解決してきたウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガ)に助けを求める。
屋敷に巣食う悪霊とウォーレン夫妻の戦いが始まる。
実話に基づいているという。霊が乗り移った人形のエピソード「アナベル事件」から始まるが、この人形が実に不気味。
怖い人形が登場するホラーベスト3に、「サスペリア2」「チャイルド・プレイ」と並んで選びたいほどだ。
エピソードは「ほんとにあった怖い話夏の特別編2013」の「蠢く人形」と似ているが、数倍の怖さがある。
そこから一気に引き込まれるのだが、その後、次々と一家を襲う怪異も怖い。
大きな音とショック映像でびっくりさせる手法は目新しくないが、やっぱり驚く。お化け屋敷に入ったような感覚が味わえる。
セイラムの魔女事件をベースにした心霊実話としてもよく出来ていて、70年代の雰囲気もたっぷり。
「悪魔の棲む家」などで描かれた有名なアミティヴィル事件にもつながっている
。Jホラーの手法をうまく取り入れて、むしろ今の日本のホラー映画よりもJホラーらしく仕上がっていると思った。
(小梶勝男)