「週刊漫画サンデー」で連載された石川賢の原作を山口雄大&主演の坂口拓が共同で監督したバイオレンス・アクション。(点数 70点)
(C) 2010 石川賢 / ダイナミック企画・極道兵器製作委員会
西日本最大の組織暴力団・岩鬼組々長(麿赤)が若頭・倉脇(鶴見辰吾)の裏切りによって殺害される。
これを知った岩城の一人息子・将造(坂口拓)は四年ぶりに帰国。
復讐を誓って倉脇に挑んだ将造は、片腕片脚を吹き飛ばされてしまう。
内閣特務捜査官らの手によって片腕バルカン砲、片膝ロケットランチャーの改造人間=極道兵器となって倉脇との最終決戦に挑む。
『片腕マシンガール』や『東京残酷警察』以後、チラホラ観られるようになった血飛沫吹き荒れ系の和製アクションは、女性ヒロインが暴れまわるモノが多かった。
やっと男性主人公が暴れまわる男のための男向けアクションが作られた!!
それが、本作だ!!
しかも、ヤクザ映画!!
と言ってもかつての東映や日活、近年のVシネマのようなモノではない!!
荒唐無稽なアクションとエンターテイメント性を遺憾なく発揮した新感覚のヤクザ映画だ!!
冒頭から密林で迷彩服の男たちが派手に銃撃戦を繰り広げる戦争映画のようなシーンが観られ、すぐに主演の坂口拓で登場!!
華麗な格闘アクションが加味され、一気に楽しませてくれる!!
その後もマシンガン撃ちまくり、爆破が数回、血飛沫吹き荒れ、男同士の熱きタイマン格闘戦といったド派手かつ見応えバツグンの演出が随所に散りばめられ、とことん楽しませてくれる!!
原作がマンガなだけに、マンガチックなケレン味もたっぷり!!
とにかくエンターテイメント性を全面に押し出し、観る者を飽きさせない作りになっているのだ!!
ヤクザ映画ファンにとってはニヤリとさせられるのは、やはり将造の子分である拓三役の仁科貴の存在だ!!
仁科は、数々の東映ヤクザ映画の脇役で一躍スターとなった川谷拓三の長男!!
本作での役名も親父の名をまんま頂き、風貌も演技も東映実録ヤクザ路線全盛期の拓ボンそっくり!!
そんな仁科の存在が東映ヤクザ映画のテイストをチョイと感じさせ、従来のヤクザ映画ファンを楽しませてくれるのだ!!
仁科貴による東映テイスト、配給が日本映画全盛期にアクション映画や任侠ヤクザ映画を量産した日活、70年代に量産されたマンガが原作・・・古き良き時代の日本映画の素晴らしきポイントが自然と揃い、パワーアップして現代に生まれ変わったのが『極道兵器』だ!!
(佐々木貴之)