東京残酷警察 - 佐々木貴之

◆スプラッター度は既に100%を越えている(85点)

 アメリカ資本で製作された日本映画“TOKYO SHOCK”シリーズの第二弾。監督は、シリーズ第一弾『片腕マシンガール』(08)で特殊メイク、造形を担当した西村喜廣。

 舞台は近未来の東京。自らの肉体を改造した新種の殺人ミュータント“エンジニア”たちが残酷極まりない無差別殺人事件を多発させていた。これに対抗するべく警察は民営化され、“東京警察株式会社”となって最強武装化し、エンジニア対策を強化させる。女性刑事ルカ(しいなえいひ)は先陣を切ってエンジニアたちに立ち向かう。

 本作はスプラッター系ホラーであるが、様々なジャンルの面白さが取り入れられている。スプラッター以外にもモンスター系ホラーの要素も取り入れられ、“警察”というタイトルに相応しい刑事アクションの要素もごくわずかではあるが観られる。他にも時代劇アクション、コメディーテイスト、エロスとごった煮状態となっている。中でも特筆すべきポイントは、劇中で何度も映し出されるCM映像だ。これがコメディーとしての面白可笑しさを発揮しており、誠にバカらしい内容であるが笑わせてくれて強烈なインパクトを与えてくれる。「警官募集」、「ストップ・ザ・腹切り」、「リストカット専用カッター」(夜回り先生の水谷修がこれを観てどう思うのかが気になってしまった)等の劇中CMを監督しているのは、井口昇や山口雄大といったこれまた凄いお二方である。娯楽に徹した魅せ方は、素直に良いと言える。

 本作の特色は、とにかく殆どのシーンが血みどろの大流血絵巻だ。血飛沫が飛び散りまくり、これでもかと言わんばかりにドクドクと血が溢れ出まくる。残酷極まりない悪趣味丸出しのグロテスク描写がとことん連打されているのである。暴走しすぎてブッ飛びまくった映像は狂気に満ち溢れすぎており、バカになり過ぎているため荒唐無稽の限度を超越している。この衝撃と驚愕の連発は、本当に凄すぎるとしか言いようがない。それでもこれらの描写がテンポを良くさせており、斬新な映像へと仕立て上げていると言えるのである。スプラッター度は既に100%を越えているのでこの手の作品のコアなファンにとっては嬉しく思えるはずだ。

 ここまで描くことができたのは、やはりアメリカ出資のおかげだと言い切れる。現在の日本映画界では間違いなく作ることができないということは、わかり切っていることだ。本作のような作品がアメリカを頼らずに製作することができたとしたら、60年代や70年代にプログラムピクチャー体制で量産されたような情熱的で面白い娯楽映画が再び普及され、日本映画界が本当に活性化されるだろう。

佐々木貴之

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