松田龍平の父が「探偵」を当たり役にしていただけに、もう少し活躍を期待したのだが。。。(点数 50点)
(C)2011「探偵はBARにいる」製作委員会
深夜のバー、黒電話、頼りない助手、ポンコツ車etc. 一見、時代の
流れから取り残された小道具に囲まれて、欲望の渦巻く街の裏の顔を
見守り続けてきた探偵。彼にかかってきた正体不明の女からの電話の
意味深長な依頼は、謎が謎を呼び、探偵をミステリーの迷宮にいざな
っていく。そして、巧みにまぶされたコミカルなやり取りは’70年代
の雰囲気をまとい、ビタースィートな香りをまき散らす。物語は、封
印されていた過去を掘り起こそうとする主人公が、人間がその強さと
弱さをさらけ出していく瞬間を目の当たりにする姿を描く。
【ネタバレ注意】
ススキノの探偵は、コンドウキョウコと名乗る女のメッセージを弁護
士に伝えるが、直後に黒服の男たちに拉致され雪に埋められる。不審
な匂いを嗅ぎつけた探偵は、真相を暴こうと独自に調査を始める。
その後もキョウコの指示通りに動くうちに、探偵は1年前の実業家暴行
殺人事件に行きつき、さらに沙織というクラブの美人ママと知り合う。
そこからは複雑な人物相関図のもつれた糸をひとつひとつほぐしてい
くような謎解きの興味と共に、探偵と助手の気の抜けた会話が楽しめ
る。
だが、この助手が北大農学部研究者の専門知識を生かしてもっと重要
な役割を果たすのかと思いきや、街のチンピラを得意の空手でぶちの
めすくらいで今一つ物足りない。彼を演じた松田龍平の父が「探偵」
を当たり役にしていただけに、もう少し活躍を期待したのだが。。。
(福本次郎)