戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH - 佐々木貴之

◆サスペンスとしての面白さに注目したいホラー作品(75点)

 近年、外国映画の3D作品が目立っている。そんな中、ついに日本映画もこの3D作品製作に乗り出した。日本初の3D作品、それが『戦慄迷宮3D』なのだ。監督は清水崇。

 タイトルである「戦慄迷宮」とは、富士急ハイランドの名物お化け屋敷アトラクションであり、入場してから出るまでに50分かかるという世界最長のお化け屋敷としてギネスに認定されている。しかも撮影は、このアトラクション内で敢行されたのである。日本初の3D作品と先述したが、アトラクションをネタにした作品ということでも日本初なのである。

 10年前、ある遊園地のお化け屋敷にて行方不明になった少女ユキ(蓮沸美沙子)が雨の夜、突然姿を現した。ケン(柳楽優弥)とモトキ(勝地涼)、盲目のリン(前田愛)、ユキの妹ミユ(水野絵梨奈)は彼女を迎え入れるが、ユキは発作を引き起こして倒れてしまう。ユキを病院に運び込ませ、病院にたどり着くが、このごく普通の病院の姿はだんだん変化し、朽ち果て、やがて不気味な迷宮へと変貌していく。そこで五人は10年前の事件の真実を体感することとなる。

 3Dで観るお化け屋敷ではあるが、幽霊や怪物が飛び出して観る者に恐怖感を体感させるという安易な作品ではない。3Dによる飛び出し効果は良いが、これを控え目にして奥行きのある映像を魅せつける。そして、サスペンスとしての面白さに重点が置かれているのである。10年前の事件の真相を謎解きのように徐々に明かしていくが、「この先、どうなるのか?」とか「一体何があったのか?」といったことを気に掛けさせ、最後に「これが事件の真実だったのか!!」と納得させる。本作は、そういったサスペンスとしての面白さに注目したいホラー作品なのである。

 また、実在する「戦慄迷宮」を疑似体験できるという点も面白さの一つでもある。3Dの効果がリアルさを増しており、アトラクション感覚を満喫できるのである。

 日本初の3D作品という記念碑的作品である本作。それだけに一見の価値は大アリだ。本作をきっかけに日本映画の3D作品が多く製作されるだろう。

佐々木貴之

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