これを見ると子供が欲しくなる(点数 90点)
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映画というのは、前評判や予備情報よりも直感で選ぶのが一番。
あくまでも、私の場合の映画選択の法則ですがですが、
またもや直感が当たりました!
先日、時間が空いたので渋谷で何か一本見ようと思って、
キャメロン・ディアス主演のコメディということで、
この映画に決めたら見事に的中です。
大いに笑えて、最後には泣ける。
実にアメリカ映画らしいコメディ。
この手のコメディ映画は、私は大好きです。
5組のカップルの妊娠と出産にまつわるトラブルや騒動を
コメディタッチで描いていますが、
最初は接点のないカップルが、最後には不思議に絡み合う
「グランドホテル形式」のストーリーもよくできていて
最後まで飽きさせません。
アメリカ全妊婦のバイブル、3500万部を超える世界的ベストセラー
『すべてがわかる妊娠と出産の本』http://t.co/I4cV8Fdc
この実用書を原案としながら、おもしろい映画を作り上げたと思います。
キャストは、キャメロン・ディア、ジェニファー・ロペス、
エリザベス・バンクス、クリス・タッカーなど、豪華です。
特にエリザベス・バンクスが良かった。
父性という視点で言うと、どの母親も「妊娠」を知った瞬間から
「母親」の顔に変化するのに対して、父親は「妊娠」を知っても、
「父親」としての自覚や責任を感じるのにかなりの時間がかかります。
イクメン仲間からいろいろと指南を受けて、
子供を育てていこという自覚と「父性」を身につけていく。
「父親」になるべく、「父性」の獲得過程が実に興味深いのです。
“「母性」は先天的だが、「父性」は後天的”と言われますが、
まさにこの映画でも、そのように描かれています。
この映画には、「子供授かるということの幸せ」と
「子供を育てていくことの大変さと責任の重さ」の両方が描かれていますが、
後者のたいへんさを差し引いたとしても、
「子供を持つ」「子供が生まれる」ことの素晴らしさを、
圧倒的に体感すると同時に、感動させられてしまいます。
少子化、晩婚化が進む日本。
日本人にとっては、見るべき一本といえるかもしれません(笑)。
というと大げさですが、”アメリカのコメディ映画が好きな方”は、
見て損のない一本と言えるでしょう。
公式サイト『恋愛だけじゃダメかしら?』
http://renai-dakeja.jp/index.html
追伸 この映画で唯一よくないのが、邦題です。
「恋愛だけじゃダメかしら?」は、全く映画の内容を反映しておらず、
観客に恋愛映画と誤認させて集客しようというだけの、
実に実のない邦題です。
このタイトルでは、本当にこの映画を見るべき人にリーチしません。
映画の内容は、「すべてがわかる妊娠と出産の映画」という感じ。
妊娠、出産、子育てへの不安を持つ母親、父親に
一番見て欲しいと思います。
(樺沢 紫苑)