がんばっている女性たちへの爽やかなエール・・・だけど、もう少し作品に深みが欲しい。(68点)
(C)2010ParamountPictures.Allrightsreserved.
『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督と、『プラダを着た悪魔』の脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナがタッグを組み、軽快な音楽にのせて、レイチェル・マクアダムスのキュートなテレビプロデューサー役を描く。
ハリソン・フォードとダイアン・キートンなどのベテラン陣が脇を固め、テレビ局に勤めるヒロインの恋と仕事に生きる等身大の姿を描いたハッピームービー。
主人公のベッキー(レイチェル・マクアダムス)は、テレビ局に勤めるワーカホリック気味の女性。デートでも常に携帯やニュースをチェックし、ネタがないか、ライバルに出し抜かれないか気が気でないため、男性にまったくモテない。しかも、リストラで職を失うはめに。
再就職先も、やはりテレビ局。低視聴率の朝の情報番組で、プロデューサーとして再起をかけるが、ニュースキャスターもスタッフも問題ありの人間ばかり。
そんな中、社内の別番組のプロデューサーと恋が生まれ、恋愛も仕事も成功させようとがんばるベッキーがとにかくけなげ。
ベテランキャスターのマイク(ハリソン・フォード)とコリーン(ダイアン・キートン)のかけあいが面白く、最後の「GOOD BYE」をどちらが言うかでもめて、かわるがわる「GOOD BYE」を言い続けるシーンなど、声をあげて笑ってしまう。
また、ベッキーのちゃかちゃかと動き回る姿、ちょっと暑っ苦しいほどのがんばりぶりは、見ていて痛々しいが、ああ、自分もこんな時代があったなと少しまぶしい感じもした。いま、仕事に燃えている女性、何かを模索中の女性には共感できるヒロインだと思う。
それにしても、邦題の「恋とニュースのつくり方」というタイトルは、いかにも中味のなさそうな軽いノリで、いかがなものかと思う(^^;; 恋と仕事に生きる女性の等身大映画なので、そのままだとは言えなくもないけれど、まったく印象に残らないタイトルで、私は何度もこの映画のタイトルを忘れそうになった。
主人公のレイチェル・マクアダムスはキュートだし、ベテラン勢のおかげで安心して見ていられる映画だが、もう少しストーリーや人物描写に深みが欲しかった。
劇場にまで足を運ぶには、やや物足りない。予定のない休日にDVDで見るなら、いいかもしれない。