幸せの1ページ - 佐々木貴之

◆面白さがしっかりと発揮できていない(45点)

 冒険小説家アレクサンドラ(ジョディ・フォスター)は対人恐怖症、極度の神経質で一切外出をしない引きこもり。そんな彼女は南の島で父である科学者ジャック(ジェラルド・バトラー)と暮らす少女ニム(アビゲイル・ブレスリン)とメル友になり、アレクサンドラの小説に出てくる主人公アレックス(ジェラルド・バトラー=二役)名義でメールを送信しているため、ニムは憧れのアレックスが実在していると思い込んでメール交換を続ける。そんな折、二ムの島に嵐が吹き荒れ、ジャックが渡航中に遭難して音信不通となる。二ムから送られたSOSメールでアレクサンドラは救出に向かうことを決意するのだが……。

 ジョディ・フォスターが本作で新境地を開拓した。彼女にとってはかなり珍しいコミカルな演技が見所の一つとなり、観る者を笑わせてくれる。ジョディは確かに演技は巧いのだが、オーバーアクションなコメディー演技は無理をしているような感じがしてあまりハマっていない。新たなる役柄に挑戦したことは良いことでしっかりと評価したいが、コメディーに向いていないということが明らかになった時点でマイナスだ。子役のアビゲイル・ブレスリンがごく普通に頑張っていてそれ以上に頑張っているジョディを喰ってしまっているような感じだ。

 劇中に登場する様々な動物の扱い方は巧くて、面白さを感じさせてくれたり南の島の景観をしっかりと魅せていたりといった点は印象深くて良いが、他の演出に隙やツッコミ所を感じられず、これが観る者をしらけさせる要因の一つだと言える。最大の痛手は、アドベンチャー映画としての面白さがしっかりと発揮できていないことだ。

 アビゲイルのための凡庸なファミリー向けアドベンチャーコメディー作品と言いたい。

佐々木貴之

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