謎解きのカタルシスは薄い(60点)
大人気TVドラマの劇場版は、TVを未見の人にも分かり易い作りだ。謎の惨殺死体遺棄事件に、女性刑事・内海とガリレオこと物理学者・湯川が挑むが、容疑者は湯川の友人で数学教師の石神だった。湯川が唯一天才と認める人物の行動を後追いする形なので、謎解きのカタルシスは薄いが、本作は人間ドラマとして見る作品。献身の意味は最後に分かる仕組みで、ストーリーに仕込まれた、事件の動機の愛と感動を、堤真一の演技がさらに高める。ただ冒頭の大爆発の実験などは不必要。無駄に派手な場面は省き、石神が人生に絶望したエピソードのひとつも挿入すべきだった。
(渡まち子)