劇場版 喧嘩番長~全国制覇 - 福本次郎

◆どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちがバトルロイヤルを繰り広げる。小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。(50点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちが東京に集まり、バトルロイヤルを繰り広げる。各都道府県ひとりずつの腕に覚えのある番長たちが、次第に二派に分かれ、最終決戦に向かう様子は戦国時代を見ているよう。そこには小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。あえて熱い友情といったベタな要素を薄くし、喧嘩に明け暮れるバカバカしさに徹したところに好感が持てた。

 修学旅行で東京に来たタカシは茨城県番長・鬼塚と間違われ喧嘩を売られる。本物の鬼塚を倒すと、鬼塚から近藤率いる京都・池田高の東京進出を食い止める手助けをしてくれと頼まれる。やがてタカシは浅草で池田高の参謀・沖田と遭遇する。

 殴るほかに、蹴りや頭突き、その他身の回りにあるあらゆるものを使って相手をぶちのめそうとする。ある種のルールがあるようで、結構特殊警棒やバットなどを使う者もいる。しかし、大人数での乱闘になった場合、やはり頼りになるのは己の拳。下手な戦術で相手を愚弄して勝っても「汚いヤツ」という評判が立ち決して尊敬されない。他の番長から一目置かれるようになるには、小道具に頼らない腕力と胆力が必要なのだ。

 一度は近藤に完敗したタカシだが、鬼塚らの助けで復活、近藤に反感をもつ各地域の番長たちとリベンジに向かう。クライマックスは学校の体育館、校舎さらに屋上まで使った、数十人が入り乱れる大乱闘。力ずくで他校を支配してきた池田高は結束が乱れると総崩れ、一方で恐怖よりも信頼でタカシたちに加勢した一団が活躍を見せる。そして圧倒的パワーを誇った近藤に再度タイマンを挑み今度は逆転勝ち。ところが、とどめを刺さずに近藤の命を救うことで男としての器の大きさを見せつける。ただ強いだけではトップになれない、仲間とともに相手を思いやる気持ちを持ってこそ番長を名乗る資格があるのだ。

福本次郎

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