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全米No1コメディ：ウィル・ファレル、ジョン・へダー主演（60点）

　ちょっと気になっていたスポーツコメディ『俺たちフィギュアスケーター』を観て来た。

　ウィル・ファレルという俳優は日本で一般に知られているであろうか？『アダルト♂スクール』や『エルフ?サンタの国からやってきた?』などのヒットコメディに度々出演しており、90年代はジム・キャリー、2000年以降はウィル・ファレルの時代といっても過言ではないくらい、彼はあらゆるコメディに出演している。この『俺たちフィギュアスケーター』にも彼が主演に抜擢されている。わたしはウィル・ファレルが単独主演する映画はクセが強過ぎてあまり好きではないが、この映画にはもう一人主演俳優を迎えている。それは2004年にアメリカで公開された『Napoleon Dynamite（邦題：バス男）』に主演し、インディペンデント系映画の中で強烈な印象を残したジョン・へダーである。この俳優は非常に雰囲気のある俳優で、この映画の中ではウィル・ファレルよりも大きな存在感を残している。

　この作品は、あまり映画の中では観る事がなかったフィギュアスケートを題材にしている。主演の二人はどちらともフィギュアスケートの選手を演じている。ウィル・ファレルはとても男臭いキャラで、ジョン・へダーは少々女性的な白馬の王子様的キャラに扮し、この二人は正反対の性格、そして最大のライバル故に対立しているのだが、ある事件をきっかけにペアになってフィギュアスケートの大会に出場することとなる。フィギュアスケート史上ありえなかった男子同士のペアということで今までわたしたちが観る事の無かった笑いの世界へと発展する。

　フィギュアスケートというとやはりコスチュームを重視する人も多い。もちろんこの映画でもそれは見せ場の一つである。特に主演のふたりのコスチュームは観ていて恥ずかしくなるようなものになっている。それから技の数々では、絶対に普通のフィギュアの大会では観る事のできない大技がわたしたちの好奇心を冷まさせない。主演のふたりは真剣に演技しているのだが、それがまたおかしいのだ。

　この手のコメディでは今まであまり新鮮さを感じるものがなかったのだが、この映画はまずフィギュアスケートを扱ったという点で今までのスポーツコメディに新しい風を吹き込んだ。中堅俳優と若手俳優を主演に迎えた事で笑いの幅も広がったに違いない。93分とコメディ作品にしては妥当な長さの作品なのだが、わたしはちょっと短いように感じた。それはきっとこの作品のクオリティが結構高いという証拠ではないだろうか。2007年4月13日現在で2週連続No1を獲得しているので上半期のコメディ作品の中では満足度の高い作品にに違いない。なにはともあれ、このジョン・へダーに注目して欲しい作品だ。

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（岡本太陽）