交渉人 THE MOVIE - 渡まち子

◆タイトルが「交渉人」というわりには、本格的に交渉する場面は少ない(45点)

 人気TVドラマの劇場版は、ヒロインの硬派なたたずまいが魅力のサスペンス・アクションだ。現金輸送車を襲いショッピングモールにたてこもる犯人グループと交渉するために、警視庁捜査一課特殊班捜査係の宇佐木玲子がやってくる。だが直後にモールは大爆発しパニックの中、犯人一味は逃走する。それから数週間後、玲子は羽田空港で不審な青年・木元祐介を目撃し、とっさに彼が乗った便に潜入する。立てこもり事件の人質の一人だった祐介は、飛行機をハイジャックするが、事件の裏側には予想を超えた巨大な悪がうごめいていた…。

 副題に「タイムリミット高度10,000mの頭脳戦」と付く劇場版は、羽田空港から北九州空港へ向かう飛行機がハイジャックに遭うというスケールの大きなもの。実際に北九州空港でロケが行われているという。だがタイトルが「交渉人」というわりには、本格的に交渉する場面は少ない。その分、大爆発、カーチェイス、飛行機乗っ取りと、てんこもりのアクション場面が増え、犯人との会話による知的な交渉術というキモであるべき部分は弱くなった。事件の謎は、不況の格差社会、秘密結社、政府高官の陰謀がからみあい、なかなか凝ってはいるのだが、ヒロインの玲子にある秘密があり、そのことが物語の勢いを削いでしまう。加えて、機内に拳銃(銃弾込み)があっさりと持ち込まれたり、素人に飛行機の操縦を託すなど、航空業界をナメた演出に絶句した。いくらなんでもムチャすぎやしないか。娯楽映画に細かいことを言うのはヤボと分かっていても、苦言を呈したくなる気持ちを抑えきれない。さらに言えば、事件の背後の政治的思惑を知ったとき、ハイジャックの必要性があるワケ? と思ってしまうのだ。もっと簡単で確実な方法は沢山あるというのに。ただ、TVドラマでおなじみの面々が繰り広げるお約束的なやりとりなどの、ドラマファンへのサービスに抜かりはない。何より米倉涼子演じるタフな女性交渉人は、徹底してクール。大スクリーンでも絵になるものだった。

渡まち子

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