世界侵略:ロサンゼルス決戦 - 福本次郎

細部に至るリアリティと臨場感で見る者を圧倒する。(点数 60点)

2時間近く延々と繰り返される軍人賛美は、むしろそのプロパガンダ性
が心地よく、高揚感さえ覚えてしまう。侵略目的のエイリアンから地
球を守る、まさにこれこそ米国がしたかった“正しい戦争”。人種・
性別に関係なく、米国軍人の誇りを高らかに謳いあげる物語はかえっ
て清々しい。

【ネタバレ注意】

世界中の海岸線に宇宙船が落下、エイリアン部隊が上陸し沿岸部諸都
市は破壊される。ナンツ二等軍曹は新任の隊長と数人の部下と共に、
エイリアン制圧地域に取り残された数人の市民を救出に向かう。

はるか宇宙のかなたからやってくる科学力を持っているのだから、エ
イリアンの武力はもっと洗練されているのかと思ったが、意外にそれ
ほどでもない。負傷したエイリアンを解剖すると急所が見つかるなど、
決して米軍の手に負えないレベルではない。この、火力ではやや劣っ
ているが戦術次第では勝てる設定が、ナンツたちに勇気とアイデアを
ひねり出させ、最後まで立ち向かう姿に説得力を与えている。

カメラはナンツらとともに銃弾とエイリアン機が飛び交う最前線を駆
けまわり、細部に至るリアリティと臨場感で見る者を圧倒する。その
間、米国海兵隊員および空軍兵が、いかに責任感と愛国心が強く自己
犠牲をいとわず、屈強かつ優秀な人材であるかを描くことに終始し、
こんな精鋭ぞろいの軍隊を保持する米国の傘下にいれば日本人も安心
していられるのではないかという錯覚を抱かせる。

福本次郎

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