長渕文音の素直な演技は好感度大(60点)
真面目で実直な作風が佐々部清監督らしい。青森県の農業高校を舞台に、かつての名馬で盲目の馬コスモと、世話をする少女・香苗の絆を描く物語だ。長渕文音の素直な演技は好感度大。だが、クライマックスの馬術大会の場面はさっぱり盛り上がらない。大会に出場するモチベーションにもう一工夫ほしかった。一方、コスモの出産や、子別れの場面は、非常に感動的。何よりも、ずっと心を閉ざしていたコスモが香苗の声に初めて反応するシーンが素晴らしい。コスモにとって大会より香苗との信頼関係の方が重要なのだという証だ。北国特有の四季折々の美しい風景が印象的。
(渡まち子)