ロビン・フッド - 岡本太陽

◆ラッセル・クロウとリドリー・スコットがロビン・フッドの起源を描く超大作映画(45点)

 アカデミー賞俳優ラッセル・クロウが英国伝説のアウトロー集団の首領に扮するアメリカの今年の夏の超大作映画『ロビン・フッド(原題:ROBIN HOOD)』。ここ数年毎作クロウとタッグ組む映画監督リドリー・スコットがメガホンを取る本作は、彼が初めてクロウを主演に起用しアカデミー作品賞や主演男優賞受賞に導いた『グラディエーター』を彷彿とさせるアクション満載の作品。物語の中で血湧き肉躍る戦いが繰り広げられ、吠えるロビン・フッドに注目だ。

 ロビン・フッドというと、タイツを履いた好青年というイメージを持つ人も少なくない。また、ロビン・フッドに関する映画で大作ものでは1991年のケヴィン・コスナー主演作まで遡り、その当時のロビン・フッドはさすがにタイツ姿ではなかったが、端正な顔立ちをしたきれい目の人物という印象を与える。しかし、ラッセル・クロウ演じるロビン・フッドは無精髭を蓄え、体は肉厚という戦士を思わせる風貌だ。弓矢の名手というよりは剣か槍などを持っている方が様になる。

 物語の舞台は13世紀イギリス。第三回十字軍遠征からイギリスへ帰還中、軍の射手であったロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)は金銀財宝目的でフランスの城等を襲っていたが、リチャード王(ダニー・ヒューストン)が死去した事により、ロックスリー卿は王冠をロンドンに持ち帰ろうとするが、その道中で彼は殺害されてしまう。それを目撃したロビンは、悪徳代官(マシュー・マクファディン)によって人々が虐げられている、ロックスリー卿の故郷ノッティンガムへ騎士に扮し訪れ、彼の妻マリオン(ケイト・ブランシェット)そして父ロックスリー領主(マックス・フォン・シドー)に出会う。

 本作では歴史的事実、アクション、そしてロマンスを交え、皆が知っているロビン・フッドの物語ではなく、ある1人の射手がどの様にしてシャーウッドのアウトロー率いるあのロビン・フッドになったのかを描いてゆく。よって物語が佳境に入るまではロビン・ロングストライドをロビン・フッドと同一視する事は極めて難しく、それが良い意味でも悪い意味でも物語に作用している。また、本作はコミカルな要素も多少あるものの、正直夏の超大作映画としてのド派手な娯楽作品というよりは、ロビンを取り巻く人々の人生が目まぐるしく変化してゆくドラマ性に重点を置いている。彼らの新しい人生は本作のエンディングから始まり、わたしたちはその目撃者となる。

岡本太陽

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