レッドライン - 佐々木貴之

◆ご都合主義の甘くてぬるい脚本が大きなマイナスポイント(45点)

 不動産金融業で成功したダニエル・サデックが、自身のポケットマネーとコレクションしている高級車を投じて製作したカーアクション映画。

 歌手志望の美女ナターシャ(ナディア・ビョーリン)は事故死した親父譲りの抜群のドライビングテクニックを持っているが、親父の事故死が原因でレーサーだけはなりたくないと強く思っている。だが、違法なカーレース賭博に興じる金持ち男連中の一人であるインフェイス(エディ・グリフィン)に腕を買われたナターシャは、危険な世界へと巻き込まれるハメとなる。

 カーマニアにはたまらない数々の高級車、舞台となるアメリカ西海岸、BGMの殆どがヒップホップ系という具合に『ワイルド・スピード』シリーズを意識した作風となっている。見せ場のカーチェイスはCGに頼らず、実際のスタントだけで描かれている。スピード感、迫力を追求していて普通に面白く思えるような出来栄えではあるものの、本作以上に面白いカーアクション作品は他にも多く存在するため、少々物足りなさを感じてしまう。古き良き時代のアクション映画のような手作りの良さは大いに認めたいが、ご都合主義の甘くてぬるい脚本が大きなマイナスポイントとなっているので残念だ。

 アクション、水着姿のセクシー美女が大挙登場、上映時間95分、有名と言えるほどのスターの出演はなしという具合にB級感覚は本格的。そんな本作を楽しむには、細かいことを考えず、最初からB級娯楽アクション作品として単純な気持ちだけで観ることをオススメしたい。そうすれば、普通に面白いと思えるだろう。

 本作は、『ワイルド・スピード』シリーズを超える作品と宣伝しているが、明らかに『ワイルド・スピード』シリーズを下回っている。出来が悪くてもなお可愛いというが、そんな一言がお似合いの作品だ。

佐々木貴之

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