ランゴ - 中野 豊

3Dに頼らない映像。超可笑しいし、哲学もしている ウルトラ・ミラクル長編アニメ!もっと言うなら、これからの「映画のスタイル」をかえるかもしれない傑作。(点数 90点)


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人間のペットのカメレオン ランゴは、ドライブ中に砂漠のど真ん中に放り出されます……。

ナビゲーターは謎のフクロウ楽団マリアッチ。

はてさて、臆病者でお調子者・温室=「マトリックス」なお国育ちのランゴは、この砂漠という異世界「ザイオン」でどう生きていくのでしょうか?

偶然出会う現代っ子カメレオン マメータの容姿ったら、ヒューマノイド型継接ぎ人形→ 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のサリーにそっくりです。

とぼとぼと砂漠を歩くランゴは喉が渇いてカラダはひからびてもって、町の酒場に辿りつくのです。
「みっ 水だ 水をくれええええ!」 まるで減量中の力石君状態(「あしたのジョー」より)。
酒場では他の客大笑い。
「これならあるぜぇ」と一杯もらえたのはサボテンジュース。
これじゃあ酔っ払ってしまうじゃないかぁ~と思うも、町の住人はみなアルコール依存症気味。
いやはや日本の政治家のような面々。
正気なのは腹黒くてお金のことしか頭にない町長だけなのでした。

町に居つくことになったランゴは、その「状況色」に染まるカメレオン。
あらゆる難問・危機的状況を保安官色に染まったカラダで次々に解決していくのです。

環境に適応して染まる過程は、ウディ・アレン監督作品『カメレオンマン』と双璧。
どんどんカッケーッくなっていくのです。
人も環境や役職や経済力で生き方が変わっていくのにそっくりです。
もちろん「生きる価値」を立身出世・経済理論を訴求するオーディナリーピープルへの皮肉を込めているのです。

物語はそれほど重要ではないような気がしますが、ウェスタンにしたところがミソです。
今年はウェスタンのあたり年のようですね。
パラマウント映画 配給作品ですら本作と同時期公開の『カウボーイ&エイリアン』や年初には『トゥルー・グリット』と記憶に残る作品が相次いで観ることができました。

人間が考える世の中の価値や捏造されたヒーロー像など、練りに練った世界観を
存分にお愉しみください。

大御所スピルバーグもイーストウッドも(笑)びっくりの本作の監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン』のゴア・ヴァービンスキーで、原案・製作まで名を連ねています。

少年時代にマカロニ・ウェスタン『夕陽のギャングたち』(1971年イタリア映画/監督:セルジオ・レオーネ/音楽:エンリコ・モリコーネ/出演:ロッド・スタイガー、ジェームズ・コバーンほか)にはまり西部劇ファンなったと語ったヴァービンスキー監督にシンパシーを感じずにはいられません。
これほどの作品を観てしまうと、近い将来 俳優(特に大スター)さんの仕事がなくなっていくのでは?と ちょっと心配です。

スピルバーグ監督の新作でフルCG映画『タイタンの冒険 ユニコーン号の秘密』(12/1公開)→俄然期待が膨らんできました♪

■2011年 アメリカ映画/上映時間107分/監督:ゴア・ヴァービンスキー/声の出演:ジョニー・デップ(『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』など)、アイラ・フィッシャー(『ウェディング・クラッシャー』など)、アビゲイル・ブレスリン(『ゾンビランド』など)、アレフレッド・モリナ(『スパイダーマン2』など)、ビル・ナイ(『パイレーツ・オブ・カリビアン』など)、スティーヴン・ルート(『ドッジボール』『ファインディング・ニモ』など)、ハリー・ディーン・スタントン(『ワイルド・アット・ハート』『グリーンマイル』など)
そして超大物がカメオ出演!その名は……。ご自身の目?耳でご確認くださいませ。

オフィシャルサイト:http://www.rango.jp/

関連記事(AllAbout「西部劇(ウェスタン映画)10選」):http://allabout.co.jp/gm/gc/207153/

中野 豊

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