ラストスタンド - 樺沢 紫苑

アクションスターと「老い」 (点数 70点)


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アーノルド・シュワルツェネガー。
復帰第一作にして10年ぶりの主演作。
『コナン・ザ・グレート』でシュワルツェネガーと出会って以来、
彼の作品はほとんど全て劇場で見てきた。

「シュワルツェネガーも、かなり老けたな」という実感。
それはすなわち「自分もかなり老けたな」
というのと同じ意味を持つだろう(笑)。

スタローンやブルース・ウィリス。
彼らの痛々しさに比べると、本作のシュワルツェネガーは、
かなり風格があるし、アクション・シーンな無難にこなし、
「年老いた田舎町の保安官」という役柄にはピッタリとはまっている。

砦に閉じこもって少人数で圧倒的な力と数の敵を迎え撃つという
「西部劇」の砦もののオマージュになっていて、
武器やカーチェイスなどは近代風だが、
西部劇ファンとしてはかなり楽しめる演出になっている。

今後、ブルース・ウィリスやスタローンの新作も控えているが、
アクション・スターが、アクション映画以外の主役を張るのは
無理なのだろうか。

本人がそれをのぞんでも、映画会社とファンがそれをのぞむのか。
それとも、本人がのぞんでアクション映画にで続けているのかは、
わからないが。

その点、クリント・イーストウッドの監督転身は
絶妙のタイミングであったし、
イーストウッドのアクションとは無縁の最近の主演作も俄然いい。

この問題は、アクションスターに限ったことではないだろう。
ビジネスマンにしても、若い頃と同じペースで、
同じような仕事を、いつまでもバリバリとこなせるものではない。

そこで、今までの知識・経験を活かす「転身」をするのか。
それともそのリスクをおそれ、退職するまで、同じ道を進み続けるのか…。

年老いたアクションスターが、アクション映画に出続けるのか、
別な可能性に挑戦するのか。

この問題は、私たち自身の老後の選択とも、
深く関係しているのではないだろうか。

ちなみに、劇中の保安官も「転身」組として描かれるが、
そのニュアンスは若干異なる。

単なる痛快な娯楽映画ではあるが、そんなことを考えさせられる。
「老い」のテーマが隠し味として効いている。

樺沢 紫苑

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