◆うん!すがすがしい映画ですっ!(68点)
プロレスに全く興味がなく、TVであっていてもチャンネルを即変えてしまうような私でしたが(笑;)この映画は楽しめました!!
今作品は、現役大学生が学生プロレスという安全第一!ギャグ満載!のスポーツ(?)に情熱を燃やすおもしろ青春物語♪なのですが・・
この物語、単に楽しいだけではないのです。
主人公の五十嵐(佐藤 隆太)は、現役で司法試験(一次)に合格するほどの頭脳の持ち主でしたが、不運な事故で「高次脳機能障害:一度眠るとその日の記憶を全てなくしてしまう」という深刻な後遺症を負ってしまう。。
自らの夢・将来、そして親の期待・・・全てを諦めなければならない絶望の中、記憶障害になる以前に見ていた楽しそうな学生プロレスの光景を思い出す。
そして入部を決意!
眠ってしまえば忘れてしまう"明日の自分"へ、メモや写真を撮りながらプロレス技・手順をはじめ、プロレス仲間との交流、日々の出来事などを懸命に記録し伝えていくが・・記憶障害であるが故のトラブルも発生し始め、部員達に迷惑をかけてしまう。家族からも反対をされる。。。
それでも五十嵐は、諦めなかった!
「記憶がないのは生きていないのと同じ。」
「頭は覚えていなくても、体は覚えてる!」
「だから、プロレスをやりたいんだ!!」
文章だけでは伝えきれないですが、この台詞・・心にぐっと食い込みますっ!!!
ある日の記憶以降、記憶が蓄積されていかないということは、一体どういうことなのか。毎朝毎朝目を覚まして、自分の書いた記録を読み、何度も何度も(自分が記憶障害だという)同じショックを受ける。。
その日仲良くなった相手でも、次の日はまた自分だけが初対面。そんな感覚の繰り返し。。ほんの少しのうたた寝でも、目が覚めたときには何がなんだかわからない恐怖。体に残った傷や筋肉の痛みでしか時間の経過=自分の生きた証を感じることができない。
想像もできないほどのことではないでしょうか。。
このように記憶障害という実態だけを考えると重たい内容の映画のように思うのですが、不思議とその重たさは感じさせられません。
それは、どんなことにもめげず、明るく楽しい仲間とプロレスに打ち込む五十嵐の姿で、その重さを一掃してくれているようです!クスッと笑えるところも都度でてきます♪
(佐藤 隆太さんの"満面の笑み"効果が絶大で、ついこちらまで気がづいたら微笑んでしまっている!恥ずかしい状態(笑)ホントいい表情してますよ!!)
さらに、私としては、佐藤さんもすばらしいですが、五十嵐の父親役:泉谷しげるさんも最高でした!!潰れそうな銭湯を経営する昔の頑固オヤジ役で、頭の良かった息子の将来だけを楽しみに楽しみにしていた不器用でぶっきら棒なオヤジ役。(泉谷さんにぴったり♪)
台詞もほとんどないのですが、表情がすごい!!父親の愛情・気持ちがバシ!バシ!伝わってきます。泉谷さんの表情だけで胸がいっぱいになって泣けちゃいました。いい味だしてくれてます!!親子、家族の愛も描かれていて、そこもまたじ?んっときます!
クスッと笑って、ほろっと泣いて、クライマックスでは、実にすがすがしい!!爽快感でいっぱいの作品です!!特にスポーツ好きな方は、あ?これだからスポーツっていいっ!!やめられないっ!!とも思うはずですよ♪
(スタッフ古庄)