ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション - 福本次郎

◆立ち技打撃系だけでなく、関節技・寝技・締め技などの本格的なファイトシーンが圧倒的な重量感をともなってスクリーンに炸裂。感情を奪われた不死身の兵士たちがたどる運命を、彩度を落としたクールで無機質な映像に再現する。(50点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 筋肉の鎧を身に付けた男たちが拳をぶつけ合い、脚を相手にたたき込む。立ち技打撃系だけでなく、関節技・寝技・締め技・マウントポジションからのパンチなど、ここ10数年のうちにテレビ中継されるようになった総合格闘技によって確実に目が肥えた観客も納得できるくらいに本格的なファイトシーンが、圧倒的な重量感をともなってスクリーンに炸裂する。映画は、感情を消した上で極限まで鍛え上げ、薬物で強化された不死身の兵士たちが、兵器として消耗された揚句にたどる運命を、彩度を落としたフィルムにクールかつ無機質に再現する。

 ロシア大統領の子供たちを誘拐し原発に立てこもったテロリストから人質を救出するために特殊部隊が送り込まれるが、新型ユニバーサル・ソルジジャーNGUによって全滅させられる。米軍は最後に残った旧型ユニソル・リュックを召還し、現地に向かわせる。

 プロローグ、博物館を見学する大統領の息子と娘を流れるようなカメラワークでとらえる。どこか不安気な雰囲気を纏いながらエントランスに出ると、いきなり装甲を施した4駆が車列に突っ込んできて壮絶な銃撃戦が始まる。マシンガンを連射しながら体当たりを繰り返してフルパワーで疾走する4駆の映像は、派手な爆発に頼らない分非常に緊迫感があふれ、自動車や人体を銃弾が抉っていく描写は身を打たれるような衝撃を覚える。さらにNGUとの格闘も肉を打ち骨がきしむ感覚が飛び出すような臨場感。荒っぽい脚本に比べて、マッドサイエンスで増強された男たちの「哀しみを感じない」という哀しみが、リアルな痛みの伝わってくるアクションシーンから滲みだす洗練された演出だった。

 テロリスト側についたNGUの生みの親は密かにもう一体の旧型ユニソル・アンドリューを原発に持ち込み保身を図ったりするのだが、もはやその辺は付け足しに過ぎず、物語はリュック対アンドリューの旧型同士の戦いに移行する。その、ジャン=クロード・ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンが老体に鞭打って闘う様は哀愁すら帯びていた。格闘アクションは生身の肉体がぶつかり合う迫力が一番の楽しみであることを再認識した作品だった。

福本次郎

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