特殊メイクまで施した高岡早紀の怪演にドキドキっ!? (点数 85点)
(C)2013「モンスター」製作委員会
あまりに醜く生まれため、友だちはおろか、実の家族からも疎まれていた和子(高岡早紀)は、ある事件を起こし、家族から離れ、ひとり東京に送られます。
懸命にお金を貯め、整形手術を繰り返し、絶世の美女「未帆」となって、故郷に戻ってきますが……。
全国の書店員が「最も売りたい本」を投票で選ぶ「2013年本屋大賞」を『海賊とよばれた男』で受賞した百田尚樹の同名小説の映画化です。
脚本家も、監督も、カメラを担当したのも女性。女性が女性を撮った作品です。
高岡早紀が特殊メイクで和子を怪演しています。あのきれいな顔が、あんなにもすさまじい顔に変わっちゃうんですね。
恐るべき、特殊メイク!
和子が、整形をして、少しずつ、美しくなっていく過程にもドキドキです。
そうか、こういう風に整形すると、ああなるのねというハウツーも学べたりします。
高岡早紀の何かが乗り移ったようなすさまじい姿に、ここまでいじめられ、疎まれるのなら、整形もありでしょう! と応援したくなってしまいます。
美貌を手に入れたことで、すべての問題が解決し、彼女は、幸せになれるのでしょうか?
彼女が恋い焦がれている初恋の男・英介(加藤雅也)との愛を手に入れられるのでしょうか?
外見の美しさしか、見ない男性たちにかこまれて、和子は幸せだったのでしょうか?
美しくないから、相手にされない。美しくなったのに、外見だけしか、愛されない。
幸せって、結局は、本人の心の持ちようではないのかと実感してしまい、あまりにせつないラストシーンに、呆然としてしまいました。
幸せってなに? と考えずにいられない作品です。
(小泉 浩子)