ミスター・ノーバディ - 樺沢 紫苑

『ソウ』『メメント』『インセプション』といった複雑なストーリー好きには、必見の作品。(点数 90点)


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『ソーシャル・ネットワーク』のトークライブを一緒にやったライターの山口拓朗さんから、”『ミスター・ノーバディ』がおもしろい”という話しを聞いたので、見てみたら本当におもしろかった。

私の好み、どストライクという感じだ。

「あの時に戻って人生をやり直せたら」なんて話があるが、この映画ではまさに、自分の過去の重要な場面に戻って、人生をやり直す物語。

しかし、ただそれだけではない。
次々と細かく分岐していくいくつもの人生が、それぞれ描かれていく。

また、それが時系列が破壊された状態で観客に提示されるものだから、映画の序盤は「これは、一体何だ?」と全くわからない。

 

『メメント』のように最後まで見ると見事に、バラバラのジクソー・パズルが一つにまとまる快感を楽しめる。

というと小難しそうな映画に聞こえるが、主人公の幼少時代から青春時代を描いているので、甘く切ない恋愛描写がたくさん出てくる。

この青春時代の恋愛描写は、胸キュンなシーンもあり、時系列破壊ということからも、『500日のサマー』を思い出した。

『ミスター・ノーバディ』は、人生選択をテーマにしている。
生きられなかったもう一つの自分を生きるとどうなるか、というシュミレーション。

人生をやり直したって、幸せになれるとは限らない。
結局のところ、「今」を必死に生きるしかないのか・・・といろいろ考えさせられる。

『2001年宇宙の旅』とか『トゥルーマン・ショウ』といった名作映画のオマージュが入っているのも楽しい。

これを「難解」という人もいるかもしれないが、最後まで見るとだいたいは理解できる話しなので「複雑」ではあるが決して「難解」ではないはず。

『ソウ』『メメント』『インセプション』といった複雑なストーリー好きには、必見の作品。

樺沢 紫苑

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