マンデラ 自由への長い道 - 樺沢 紫苑

赦(ゆる)す力(点数 90点)


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南アフリカの人種隔離政策、アパルトヘイト撤廃に人生をささげ、
2013年に亡くなったネルソン・マンデラ氏。

その自伝を映画化した作品『マンデラ 自由への長い道』に
感動しました。

差別撤廃の活動を続けるマンデラ氏は、
「終身刑」を言い渡され、刑務所に収監されます。

彼が釈放されたのは70歳。
その獄中生活は、なんと「27年」にも及びます。

釈放されることなどありえなかった当時の厳しい状況。
刑務所での非人道的な待遇、虐待、イジメ、嫌がらせの数々。

そうした逆境に追い込まれても、
マンデラ氏は「希望」を失うことはありません。

辛抱、忍耐、我慢。

「差別撤廃」と「自由」という崇高な希望が、
マンデラ氏を支えたわけですが、
決してあきらめない「不屈の精神」と
その「我慢強さ」に心を打たれます。

マンデラ氏の大きな心の支えとなったのが、妻のウィニー。
刑務所の外で、「フリー・マンデラ」運動を盛り上げ、
マンデラ氏を南アフリカの自由の象徴としてまつりあげていく。
彼女の活動なしでは、マンデラ氏の釈放はなかったでしょう。

ウィニーもまた、逮捕、収監され、ひどい虐待を受けながらも、
決してあきらめることなく、むしろ弾圧されるほどに、
活動に力を入れていきます。

刑務所によって分断された二人が、
物理的には離れ離れになりながらも、
心の中では通じあい、二人三脚のように一体となり、
差別撤廃の活動を進めていくのです。

差別撤廃の流れが進む反面、南アフリカ各地で暴動が勃発し、
長年の差別と虐待を受けてきた黒人たちは、
白人への憎しみを晴らそうと、復讐を企てます。

そんな中、マンデラ氏は言います。
自分を「27年」も収監してきた白人を私は赦す!」
だから、「白人を赦そう!」、復讐はやめようと。

「赦す」というのは、言葉で言うのは簡単ですが、
実際には簡単ではありません。

キリスト教の「なんじの敵を愛せよ」もそうですが、
「赦す」というのは、究極的な愛のカタチです。

人間愛、人類愛、博愛。

そう簡単に「赦す」なんできない。
しかし、実際にマンデラ氏の「赦し」のメッセージは、
南アの人々にも伝わり報復をやめた。

つまり、南アの黒人の人たちは、白人を赦したのです。

ネルソン・マンデラ氏。その名前を知らない人はいないでしょうが、
彼の何が凄かったのか。
この映画を見て、はじめてわかりました。

樺沢 紫苑

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