マラヴィータ - 青森 学

組織を売った裏切り者の逃亡生活はこんなにも奇妙でおかしい(?)(点数 78点)


(C)EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION –GRIVE PRODUCTIONS Photo : Jessica Forde

その激しいパーソナリティゆえに世間に溶け込もうとしても順応出来ない苦しさをコミカルに描いたファミリームービー。
本作では元マフィアの父親役にロバート・デ・ニーロが扮し、母親にはミシェル・ファイファー、その娘役には大ヒットミュージカルテレビドラマ『Glee』で注目を浴びたディアナ・アグロンが出演している。
また、彼らを監督するFBI捜査官にはトミー・リー・ジョーンズを配して脇を固めている。

前半は承認保護プログラムのもとで南仏の片田舎で隠れるように住む元マフィアの家族が行く先々で騒動を巻き起こすコメディ仕様になっており、その喜劇仕立てのストーリーの裏側では組織を売った裏切り者の命を狙う殺し屋が優れた猟犬のごとく着実に追って来るサスペンスが進行している。
証人保護プログラムで匿われた情報提供者が殺し屋に命をつけ狙われる話はそう目新しくもないが、FBIに保護された証言者の日常の生活に光を当てている点には新しさがある。

元々、社会への順応性に乏しい人たちが、身分を隠し一般社会でいかに普通に暮らしいてゆくのか漠然とした興味はあったのだが、そういった疑問を疑問のままにしておかず、想像力と取材力を駆使してその疑問に応えている。
もっともこの映画はコメディなので誇張されて描かれているものの全部を額面通り受け取る訳にはいかないが、その何割かは真実を含んでいるように思う。
やはり隠れるように生きて行くのは大変なのだろうなと映画を観て思った。
ましてひと回りもふた回りもアクの強い人達のことである。
人間関係の摩擦は並大抵のことではないだろう。
現代社会で生き辛さを感じている人やコミュニケーションに疲れた人達には多いに共感出来るストーリーだ。
スカッと笑い飛ばせること請け合いである。

青森 学

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