超ありがちな設定のやさぐれ刑事(50点)
人気ゲームの映画化だけあって、アクションは現実も幻覚もスタイリッシュだ。妻子を殺され復讐に燃えるという、超ありがちな設定のやさぐれ刑事が、真相を追ううちに大企業の陰謀に巻き込まれる。繰り返し登場する黒い羽根のイメージが効果的で、もしやこれは異色ファンタジーかと思い始めた頃、製薬会社による新薬実験という腑に落ちる展開になっていく。だが、ベトナム戦争でも試されたというその薬の効果に統一感がないのがマズい。最強であるはずの軍曹との対決がこうまで軽く流されては、クライマックスの興奮に水をさすではないか。話はB級だが、スローモーションで細部を見せるガン・アクションなど、時折ハッとするほど美しく凝った映像は一見の価値ありだ。
(渡まち子)