年をとるって素晴らしい!!(点数 100点)
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あなたは、「年をとる」ことに、
どういうイメージを持っていますか?
年齢ごとの幸福度のある調査によると、
日本人は15歳の幸福度が最も高く、
幸福度は年齢とともに低下してきます。
一方アメリカでは、40歳頃の幸福が最も低く、
それ以後は年齢ととも幸福どが上昇していくのです。
つまり、日本人は、「年をとる」と不幸になり、
アメリカ人は「年をとる」ほどに幸せになる、
というイメージの違いが存在するのです。
映画「マイ・インターン」。
30歳にしてネット通販で成功して社長となった
ジュールズ(アン・ハサウェイ)。
彼女の会社に、40歳も年が離れた
ベン(ロバート・デ・ニーロ)が
シニア・インターンとして入社するという
意外な設定。
この親子以上、祖父と孫ほども年齢が離れた2人が
社長とインターンという設定がおもしろいのと、
その2人の関係が、
年齢を超えた不思議な「友情」へと発展していくのです。
ロバート・デ・ニーロ演じるベンは、
社会的な常識、教養、マナーを備えたジェントルマン
として登場しています。
若者ばかりが働くIT企業の中で、
ベンは完全に浮いてしまうのかと思いきや、
コミュニケーション力、人間力、知識、経験で
周囲の人達の信頼を集め、
社内の人気者へとなっていく過程に引きこまれます。
この映画は、
「年をとる」ことを、非常にポジティブに描いています。
年をとっても仕事ができる。
むしろ若者以上に。
そして、年をとっても恋愛もできる。
「年をとる」って素晴らしい!
「老い」を
徹底してポジティブな視点で描き切っている。
そこに強い共感を持つとともに、
ラストではしみじみとした感動につつまれました。
監督は、
私の大大大好きな映画『ホリディ』、
『恋するベーカリー』『恋愛適齢期』などの
ナンシー・マイヤーズ監督。
彼女の演出力は、改めて凄いにあ、と思いました。
そういえば、
『恋するベーカリー』や『恋愛適齢期』でも、
熟年男女の恋模様と仕事を描きながら、
「年をとる」って素晴らしい!
という、テーマが描かれていました。
『マイ・インターン』は、
特に凄い盛り上がり、
物語のクライマックスがあるわけではありませんが、
デ・ニーロとアン・ハサウェイ演じるキャラに
深く感情移入して、物語に引きこまれます。
全てのシーンから目が離せない。
人物描写の極致。
とでもいいましょうか。
肩の力が抜けたデ・ニーロの演技も素晴らしい。
また、アン・ハサウェイがチャーミング!
20代の若者がこの映画をみて
すごくおもしろいと思うかはわかりませんが、
今月、50歳となり、
「老い」や「老化」という言葉妙に気になる
年齢の私としては、
ものすごーーく深く共感できる映画でありました。
とにかく、ポジティブで、
いっぱい元気がもらえる映画です。
(樺沢 紫苑)