ホーリー・スモーク - 前田有一

◆ケイト・ウィンスレット大暴走(20点)

 イカレタ宗教にはまった娘を取り戻そうとする洗脳解除の専門家が、逆に娘と恋に落ちるという話。主演はあの、ケイト・横綱・ウィンスレットである。

 ハリウッドで唯一、妊婦シーンをそのまま演じられる女優である彼女は、本作でもその魅力が大爆発である。

 インドのヘンな宗教家にはまって、悟りを開くシーンなんて、CGを駆使した派手な演出であるが、これが最高である。我らがウィンスレット嬢が、完全にイっちゃってる様子で、ぽわわわ?んと呆けたお顔を見せてくれるのだ。私は笑いすぎて、5分ほど腹筋が痙攣した。

 彼女は、洗脳を解くためにやってきた渋い中年男(ハーヴェイ・カイテル)を、逆に手玉に取ろうとする。だが、海千山千の専門家である彼は、たとえエッチな誘惑をされても、さすがに耐える。

 ところが、そんなハーヴェイ氏も、ついに彼女の魅力に陥落する日がやってくる。彼が、誘惑に負けてケイト・ウィンスレットを抱いてしまうきっかけが傑作。なんと、ウィンスレット嬢の放尿シーンを覗いてしまったために興奮し、我慢できなくなったというのだ。渋いハーヴェイ氏は、実は(やはり?)変態だった。

 しかし、ケイト・ウィンスレットはえらい女優である。大ブレイクしたと言うのに、本作でも、相変わらずとっても豊かな胸(とウェスト)を惜しげも無く披露しているし、ブラウンのヘア丸だしで直立放尿シーンまで演じているのには、ビックリ仰天である。

 だいたいこの『ホーリー・スモーク』は、撮影時期的には、『タイタニック』の直後の作品なのだ。沈みゆくお船のお姫様、ご乱心……か?

 『ホーリー・スモーク』は、乱暴に言ってしまえば「女装ヘンタイ中年とデブ女の気味悪い恋愛映画」である。ラジー賞でも狙っているのかと思うほどの、イっちゃってる展開および俳優の演技は一見の価値がある。

 これはさすがに、ロマンティックな『タイタニック』の直後に、日本での公開は出来なかったろう。だが、「宗教と洗脳」という題材はなかなかタイムリーであるから、逆に今公開するのは正解ともいえる。

前田有一

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