少女の大きな瞳が印象的(60点)
少女の大きな瞳が印象的な小品。両親の不仲に心を痛める10歳のベティは、ある日、精神病院から抜け出した青年イヴォンをかくまうことに。ベティにとって檻に囚われた犬のナッツと心優しいイヴォンは、何をおいても守りたい存在だった。どこか名作「ミツバチのささやき」と思わせるストーリーだが、こちらは小さな冒険と秘密の遊びに思えるのどかさがある。イヴォンが逃げる理由が明記されないので彼をかくまうベティの行動に説得力が乏しいのが気になった。恋と呼ぶには絆が弱い。それでも、自分より弱いものを守る行為で孤独を乗り越えようとする、少女のけなげさが心に残る。
(渡まち子)