プラネット B-BOY - 小梶勝男

◆ブレイクダンスの世界大会を追ったドキュメンタリー。各国のチームが見せる超絶技巧が素晴らしい(66点)

 ブレイクダンスには全く関心がなかった。そういえば流行ったときもあったなあ。その程度だった。しかし、本作には圧倒されてしまった。ドキュメンタリーとしてはごく普通の撮り方だが、ブレイクダンス自体が凄いのである。テレビなどで昔見たブレイクダンスからは格段に進化して、全く別物になっている。こんなにテクニックが高度で、様々な文化を取り入れて、パワフルで、繊細で、そして自由なダンスだったのか。目が覚める思いだった。

 本作にはナレーションはない。監督、製作、編集は韓国系米国人のベンソン・リー。ブレイクダンスの世界三大大会のひとつ、「バトル・オブ・ザ・イヤー・ファイナル」2005年ドイツ大会を舞台に、予選を勝ち抜いてきた日本、韓国、フランス、米国のダンスチームを中心に追っている。

 各国のチームが見せるブレイクダンスがとにかく凄い。ヒップホップに乗って、人間離れした超絶技巧を見せてくれる。その体の動きはジャッキー・チェンやジェット・リーのクンフー映画にも通じるものがあり、「アクション」そのものだ。それが音楽と完全にリンクしているのが素晴らしい。

 特に、日本代表チーム「一撃」の大会でのパフォーマンスには驚かされた。ブレイクダンスとは、ここまで表現のレベルが高かったのか、と思った。

 ドキュメンタリーとしても、ダンサーたちへのインタビューで、それぞれの人生に迫ろうとしているが、それ自体はよくある話で特に感動的なわけではない。パフォーマンスの素晴らしさがあってこそ、バックグラウンドも輝いてくるのである。

 ダンスが好きな人は無論だが、クンフー映画や、アクション映画のファンにもお勧めしたい。「体技」の素晴らしさを堪能出来るだろう。

小梶勝男

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