相変わらずグロテスクな描写が満載(50点)
創意工夫に満ちたショックシーンとどこかコミカルな味を売りにした「ファイナル・デスティネーション」シリーズの第4弾の発端は古びたサーキット場だ。ニックは友人たちと訪れたサーキットでクラッシュ事故による大参事の予知夢を見てしまう。間一髪で助かった彼らだったが“死の運命”は彼らを見逃してはくれず、生き残った者たちは次々に悲惨な事故死を遂げる。
死ぬはずだった人間が生きているのは我慢ならないとばかりにノルマを達成する死神とは、どこまで几帳面な性格なのかと毎回感心してしまう。生き延びたものたちが死の運命をかわそうと攻防する人気シリーズだが、今回は3Dで展開されるのがウリだ。洗車場やショッピングモール、プールなど、日常のありふれた場所とアイテムが死への引き金になる展開は、相変わらずグロテスクな描写が満載。特に映画館が恐怖に包まれるシーンは、ご丁寧にも3D上映という設定で、見ている観客へのサービス精神を感じさせる。予知夢の場面と現実の場面を交差させ、なんだ夢かと安心したところにドン! とショッキングな場面が…という展開もお約束だ。若手俳優が中心のこのシリーズに有名スターはいないが、主役のボビー・カンポは、若い頃のポール・ニューマンに面影が似たイケメン俳優で、ちょっと注目である。
(渡まち子)