ビッグ・バグズ・パニック - 佐々木貴之

◆気楽なB級娯楽映画として楽しめる作品(65点)

 巨大化した生物を扱ったモンスター・パニック作品は、70年代に量産された。中でも虫の巨大化及び異常化をネタにしたモノも多く存在した。

 そんな昔ながらの巨大虫ネタのB級モンスター・パニック作品が『スパイダーパニック!』(02)以来七年ぶりに劇場公開されることとなった。

 怠け者の青年クーパー(クリス・マークエット)は元軍人の父イーサン(レイ・ワイズ)に紹介してもらってやっと就職するが、毎度のように遅刻したりと怠け癖を発揮させて上司のモーリーンから解雇通告されてしまう。その時、急に耳をつんざくような高音が鳴り響き、クーパーは気絶してしまう。その後、目覚めたクーパーは、繭のようなもので全身を覆われていた。そして、突然巨大な虫に襲撃されてしまう。クーパーと巨大虫軍団との戦いの始まりであった。

 街や部屋を這いずり回ったり、羽根を広げて空を飛び回る不気味な巨大虫。見所は当然の如くこれらの虫による人間襲撃とクーパーと仲間たちによる退治ぶりだ。また、マヌケ顔の冴えないクーパーがこれをきっかけにヒーローとなって人間的にも成長していくのかどうなのか? にも興味を抱いて注目したい。

 本作では単なる巨大虫だけでなく、虫に刺された者が顔はゾンビ風で胴体は虫という虫人間やペットの犬の虫犬が登場し、観る者に強烈な印象を与える。かつてのこの手の作品ではチープな巨大虫が目立ったが、現代ではCG等が発達していることもあって完成度は高く、違和感も感じられないので大いに良い。

 クーパーとともに虫退治に挑む仲間も個性的かつ魅力的だ。クーパーが恋心を抱いてしまう自身の上司の娘サラ(ブルック・ネヴィン)、金髪美女のお天気姉さんシンディ、知的障害の上に耳が不自由なマッチョ青年ヒューゴとその父アル。中でもシンディがクーパーの前で突然裸体を披露するシーンが観られるが、この水増し的なセクシー・サービスはB級ムード満点の作品にはマッチしていると言える。

 終盤あたりからは巨大虫の大きな巣窟に進入し、戦いを挑む。近年の『ディセント』(05)や『地獄の変異』(05)のような洞窟内パニック・ホラーのテイストも取り入れてしまったのである。そして、クライマックスでは大掛かりな爆破シーンも用意されている。とにかく後半シーンも要注目だ。

 面白い作品にするための努力がなされており、これだけでも高く評価できる。とにかく気楽なB級娯楽映画として楽しめる作品だ。B級映画ファンのためにもこの手の作品をもっと公開して欲しいものだ。

佐々木貴之

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