パーフェクト・ゲッタウェイ - 小梶勝男

◆ハワイを舞台にしたミラ・ジョヴォヴィッチ主演のサスペンス・アクション。ウソが本当に、本当がウソになる逆転が見事(72点)

 この映画に関しては、何を書いてもネタバレしてしまいそうだ。一部に熱狂的なファンがいる「ピッチブラック」のデヴィッド・トゥーヒー監督らしい、凝ったストーリーには感心させられた。

 新婚旅行でハワイを訪れたクリフ(スティーヴ・ザーン)とシドニー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)のカップルは、カウアイ島のジャングルをトレッキングしながらビーチを目指していた。途中、2組のカップルと知り合うが、どのカップルもどことなく言動が怪しい。そんなとき、新婚カップル惨殺事件のニュースが流れる。犯人はやはりカップルで、カウアイ島へ逃げてきているという。惨殺事件の犯人がこの中にいるのではないか。それぞれが疑いを持ち始める。

 本筋とは関係ないようなちょっとしたセリフや行動、登場人物の表情などが、後になって別の意味を持ち始める。ウソと思われることが実は本当で、本当と思われることが実はウソ。この逆転が鮮やかだ。ミスリードもあって、後で考えると反則だと思う点もあるが、少なくとも見ているうちは納得が出来た。

 撮影は主にプエルトリコで行なわれたそうだが、自然の風景が美しく、ダイナミックで、リゾート気分は満喫できる。ミラ・ジョヴォヴィッチはじめ、役者たちの演技も見どころだろう。善人なのか悪人なのか分からない、怪しい役を演じるのは難しいと思うが、後で見直してもなるほどと思えるよう、表情も雰囲気もちゃんと作っていた。

 ウソが本当になり、本当がウソになって逆転した瞬間、サスペンスがアクションに一転する。その呼吸がいい。そこからは、逃げる方も追いかける方も、ジャングルを血まみれになってひたすら走る。誰が生き残るのか、最後まで予断を許さない展開は、なかなかスリリング。地上の楽園というに相応しいカウアイ島の美しい風景と、人間の狂気の対比も見事だった。

小梶勝男

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