バンバン・クラブ 真実の戦場 - 佐々木貴之

観る者の様々な感情を揺さぶるシーンが目白押し(点数 75点)


(C)2010 Shooting Foundry Film Inc / Out Of Africa PTY

1990年代初頭、アパルトヘイト体制末期の南アフリカで活躍した四人の戦場カメラマンのうち、無事に帰還した二人が記したノンフィクションをスティーヴン・シルバー監督が映像化した実録ドラマ。

内戦が続く南アフリカでフリーの戦場カメラマンであるグレッグ(ライアン・フィリップ)は、ベテランの同業者であるケン(フランク・ローテンバック)、ケビン(テイラー・キッチュ)、ジョアオ(ニールス・ファン・ヤーベルト)と出会い、常に危険と隣り合わせの戦場で真実に迫った写真を撮り続ける。彼らの活躍は世界の注目を集め、“バンバン・クラブ”と称されるのだが…。

戦場が舞台で、なおかつ実話を基にしていることもあって、劇中での銃撃戦、爆破シーン、凄惨なバイオレンスシーンは見応えバツグン。中でもグレッグがピューリッツァー賞を受賞することになる「黒人男の火達磨」写真撮影までのシーンは強烈!!殴る蹴るのストレート・バイオレンスに留まらず、鉈で切りつけ、倒れ込んで仰向け状態のこの男のドテッ腹に黒人少年がゴツい石を叩きつける。さらには男の体中にガソリンを撒き散らして引火。全身が炎に包まれて走り回っているところをさらに男が鉈で頭部を叩きつけるのだ。本作における最大の残虐バイオレンスシーンは、一度観ると忘れられない。

主要人物である四人の戦場カメラマンは、恐怖と危険に満ちた戦場で一生懸命に仕事に取り組んでおり、さらに世間からの「報道か人命か?!」の議論に苦しみ、精神を崩す。彼らがドラッグやセックスに溺れるシーンも印象深い。

他に、かの有名なピューリッツァー受賞写真「ハゲタカが黒人少女を襲う」に関するマスコミの批判、息子を殺害された父親が無念の涙を流しながら語るシーン、黒人に参政権が認められたシーン…観る者の様々な感情を揺さぶるシーンが目白押し!!

戦場カメラマンの仕事ぶりだけでなく、当時の南アフリカの状況も克明に描かれた本作。スティーヴン・シルバー監督は、なかなか見応えのあるドラマを作り上げたのだ!!

佐々木貴之

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