ネメシスs.t.x - 前田有一

◆SF映画の定番商品(55点)

 37年も続くスタートレックシリーズの、劇場版最新作(10作目)。ピカード艦長が活躍するネクストジェネレーションシリーズの完結編にあたる。

 原題にあるスタートレックの文字が邦題では省略されている事から考えてもわかる通り、基本的に、スタートレックシリーズについて知らない人でも楽しめるような作りになっている。

 ただ、今回の舞台となるロミュラス星というのは、シリーズに詳しい人なら「あ、あの星か!」とぴんとくる名前であるし、シリーズキャラクター同士がついにめでたく結婚したり、重要なキャラがお亡くなりになってしまったりと、それなりに内輪なネタも混じってはいる。

 ただ、それでも、初心者への配慮を忘れずに、1話完結の独立したエンターテイメントとして作ったのは親切な事だと思う。

 SF映画としてみると、ちゃんとCGをふんだんに使った艦隊戦という、見所がある。これはなかなか迫力があって面白い。良く出来ている。やはりCGというのは、宇宙モノにはぴったりの技術だ。こういう映画をもっとたくさん作って欲しいと思う。

 スタートレックシリーズは、人間ドラマが魅力のテレビシリーズが元だから、たとえば壮大な大河ドラマであるスターウォーズなんかと比べると地味だし、ぱっとしない。そのあたりがまた人気の理由でもあるが、映画版はもう少し派手さがあってもいいかな、と思う。

 ただ、さすがに定番としての安心感があるから、見ても決して損をした気分になることはない。気軽な宇宙映画として十分楽しめるであろう。

前田有一

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