ニューイヤーズ・イブ - 樺沢 紫苑

今年最後を締めくくる映画としては、ベストではないでしょうか。(点数 90点)


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 この年末に心温まる映画を見られて本当によかった。
 『ニューイヤーズ・イブ』を見てそう思いました。

 ニューイヤーズ・イブ(大晦日)の一日に繰り広げられる
18人の男女のドラマ。
 
 テーマは「愛」ということなのだけども、私は「つながり」と表現したい。

 私たちは無関係なようで、実はつながっているんだよ。
 そして支えあっているんだよ。

 お互いに影響を与え合って、それが時として凄いプラスの影響を与え合って、
凄いことが起きるかもしれない。

 そんな可能性を感じさせてくれる。
 そんなポジティブでハートウォーミングなテーマに、感動しました。

 この映画を見ていて100本の映画が脳をよぎりました。
 100本というと大げさかもしれませんが、
最低でも30本の映画が脳裏をかすめていきます。

 ロバート・デ・ニーロ、アシュトン・カッチャー、ヒラリー・スワンク、
ハル・ベリー、アビゲイル・ブレスリン、サラ・ジェシカ・パーカー、
キャサリン・ハイグル、ミシェル・ファイファーなど、
あまりにも豪華すぎるキャスト。

 そして、この名優たちの過去の作品の記憶が脳裏を次々とよぎります。

 ヒラリー・スワンクが出れば、
『ミリオンダラー・ベイビー』や『フリーダム・ライターズ』の
名シーンがよぎる、というように。

 そうし、名優たちが出演した作品が作り上げた「イメージ」、
「存在感」を見事に生かしたキャスティングになっているのです。

 人物描写が薄いという批判もありますが、
ロバート・デ・ニーロが末期癌で余命いくばくもないという設定がわかれば、
その存在自体が人物描写になっているわけですから、
細かい描写なんていらないのです。
 存在自体でわかせらてしまうという。

 だから、この映画を楽しむには、
観客のイマジネーションが必要かもしれません。

 映画では説明されないジクゾーパズルのピースを、
観客がイメージで補うという作業をして、真に輝きのある映画に変わるという。

 この映画には、様々な人たちが出てきます。
 どこか「寂しい」ような、不全感のような、何かを。
 
 その足りないものが、補完される。
 それは、人によって。
 
 自分の大切な人であったり、また意外な人が手を差し伸べてくれる。

 基本的に映画ファンのために作られている映画で、
映画が好きな人ほど楽しめるような作りになっています。

 ですから、アシュトン・カッチャーやサラ・ジェシカ・パーカーの
名前を聞いてもピンとこない人は、おもしろさはイマイチかもしれません。

 クリスマス、そしてニューイヤーにかけてのニューヨークって、
独特な雰囲気があって、街が輝くシーズンです。

 そうした、街の活気というか、人々のワクワク感のようなものが
見事に描かれていて、アメリカのホリデイ・シーズンを思い出して、
非常懐かしく見ました。

 これも、いくつものラブストーリーが重層的に描かれているので、
カップルで見たい映画ですね。

 今年最後を締めくくる映画としては、ベストではないでしょうか。
 12月31日に見ることが出来れば、感動も最大化するでしょう(笑)。

補足
 ちなみにアメリカでは、クリスマス・イブは家族と過ごし、
ニューイヤー・イブは恋人や友達と過ごすのが普通です。

 日本は逆で、クリスマス・イブは恋人とすごし、
大晦日は家族と過ごしますね。

 その文化的な違いを、最低理解してないと、
なぜみんなラブラブ・モードなのか。
 
 その意味がわからないと思います。

樺沢 紫苑

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