ドラゴン・タトゥーの女 - 樺沢 紫苑

レベルの高い映画ですが、おそらくいくつかの衝撃映像にショックを受ける人もいるでしょう。(点数 100点)

映画を見終わって思いました。
 「精神科医をやっていて本当によかった」と。

 深い。実に深い。特に、ドラゴン・タトゥーの女ことリスベット。
 彼女の心理描写の細かさ、深さが見事としか言いようがないし、
それを見事に演じきったルーニー・マーラの演技力もすごい。

 謎めいた彼女の過去。

 そして、奇抜な行動とそれを裏付ける心理や病理が、
手に取るように理解できました。
 そして、最後は号泣するしかありません。

 「フィンチャー監督は私のためにこの映画を作ってくれたのか」
というほどに、ツボにハマったし、
精神医学的な見事が満載の作品になっているので、
いろいろな裏読みをして楽しませていただきました。

 これは、正直、恐ろしい映画です。
 性描写、残酷描写がどきついので誰にでもおすすめできません。
 特に、カップルでは見に行かないほうがいいかも(笑)。

 しかし、その分、人間の怖さというものが、実によく描かれているということ。

 『羊たちの沈黙』以来、本当に怖い映画をみたな、と。
 というか、序盤から『羊たちの沈黙』が脳裏をよぎったのですが、
最後まで見るとその理由にも腑に落ちます。

 私は、「誰がハリエットを殺したのか?」という謎解き部分よりも、
リスベットとミカエルの関係性。

 人間不信の女性がいかに心を開くのか、
という部分に圧倒的な面白さを感じました。

 やっぱり、フィンチャー監督って凄いな、
というかこの情報量のシャワーが丁度、
私の脳のスピードにマッチして、実に心地が良いのです。
 『ファイトクラブ』の時も感じたことですけど。

 いくつかブログを読むと、原作ファンなどから「〇〇について説明不足」
といった批判もありますが、私は十分すぎるほど描かれていると感じました。

 言葉で描かれてはいませんが、映像で、そして演技で表現されているのです。
 それこそが、「映画」というもの。
 だから、これこそが、これは「本物の映画」なのです。

 私の中で、一年のベストテン上位に入れることは確実なほどに
レベルの高い映画ですが、おそらくいくつかの衝撃映像に
ショックを受ける人もいるでしょうから
万人におすすめできないのがつらいところです。

 これから見る方は、かなり骨太な映画なので、覚悟してご覧下さい。

樺沢 紫苑

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