ドゥームズデイ - 小梶勝男

◆入れてはいけない材料が入っている(67点)

 沖縄に「チャンプルー」という料理がある。豆腐や野菜を混ぜて炒めたもので、ちゃんぷるーとは沖縄の方言で「混ぜこぜ」という意味だ。

 本作を見終えて、頭に浮かんだのがチャンプルーだった。その材料は、「28日後・・・」「28週後・・・」「ランド・オブ・ザ・デッド」「世界が燃えつきる日」「バイオハザード3」「マッドマックス2」「グラディエーター」などなど。それらを鍋にぶちこんで混ぜこぜにした印象がある。しかし、調理の仕方は余り良くない。きちんと混ざっていないのだ。いい材料も使っているのに、これでは消化不良になってしまう。

 監督はニール・マーシャル。デビュー作「ドッグ・ソルジャー」もまずまずだったが、何といっても「ディセント」が傑作だった。娯楽映画の手腕はあると思う。主演のローナ・ミトラも悪くはない。「アンダーワールド:ビギンズ」のヒロインも演じているように、この手の映画が似合う「ジャンル女優」なのだ。

 近未来。感染するとゾンビ化するウイルスが蔓延していた。感染を防ぐため、政府は巨大な壁で街を周囲から隔離する。だが、街で再びウイルスが発症。壁の外の世界に「抗ウイルス剤」があるという情報を得て、特殊チームを派遣する。

 「壁の外」の世界は「マッドマックス2」そのもの。パンクファッションの凶暴な生存者たちが、集団でバイクを乗り回す。その中を、ローナ・ミトラをリーダーとするチームが特殊車両で突き進む様は、「世界が燃えつきる日」や「ランド・オブ・ザ・デッド」のようだ。

 それがどうして「グラディエーター」になるのか、疑問を持たれるかも知れない。まさにそこが本作の変なところ。何故か舞台は中世のような城に移り、コロシアムでの決闘、という流れになっていく。入れてはいけない材料が入っているのである。

 しかも、この「城」部分のアクションが迫力不足。眠くなってしまった。一方、クライマックスのカー・チェイスは素晴らしく、一気に眠気が吹っ飛んだ。

 クエンティン・タランティーノ監督も「キル・ビル」2部作や「デス・プルーフ」で、過去の様々な作品をチャンプルーしているが、最終的にはきちんと自分の味にまとめている。この奇妙な味のB級グルメは、好きな人は好きだろうが、誰にでも薦められるものではない。私は結構、好きだったりする。

小梶勝男

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