ドゥームズデイ - 佐々木貴之

◆B級娯楽映画ファン、マニアは見逃すわけにはいかない必見作(65点)

 傑作『ディセント』(05)を世に送り出した英映画界きっての娯楽映画職人ニール・マーシャルが早くも自身の集大成と呼べるような作品を生み出してしまった。SF、アクション、スプラッター系ホラー、サスペンス、史劇スペクタルの要素を取り入れてごった煮状態にし、70年代から80年代の世紀末後を舞台にした娯楽映画の影響を受けた作風のコテコテB級娯楽映画だ。

 2008年、スコットランドの都市グラスゴーにて“死のウィルス”が蔓延し、英政府はスコットランドを“ホットゾーン”と名付けて城壁で完全隔離した。27年後、根絶したかと思われたウィルスがロンドンで猛威を振るい出した。政府側は城壁内部で生存者がいることを発見し、抗菌剤の入手が可能だと考える。そして、女性兵士エデン(ローナ・ミトラ)をリーダーとする精鋭部隊が編成され、隔離地区の内部に派遣するのであったが……。

 とにかくアクションシーンもスプラッター描写も気合が入っており、他にも観る者が面白いと思えるような魅せ方がなされていることが何よりも素晴らしくて良い。

 まずは、感染者のビジュアルだ。特殊メイクが効果を最大に発揮しており、そのビジュアルは誠に不気味でグロテスクだ。この感染者が数名で襲ってくるシーンは、ゾンビ映画の面白さを彷彿させる。

 ビジュアル面で言っておきたい二つ目のポイントと言えば、やはりバイクを乗り回すモヒカン頭の狂暴パンク野郎たちの存在であり、彼らこそ観る者に強烈なインパクトを与えてくれるのである。また、本作のB級ムードを盛り上げているのもこのパンク野郎たちなのだ。

 アクションシーンは、ガンファイトにソードバトル、爆破、カーチェイスとこれまた盛り沢山だ。中盤あたりで観られる精鋭部隊員が乗り込む大きな特殊装甲車が横転するというダイナミックな描き方が最高であるが、何よりも素晴らしいアクションシーンと言えばクライマックスのカーチェイスだと断言できる。クライマックスには相応しい描き方でとにかく迫力満点で見応え抜群だ。

 血生臭さを感じさせるグロいスプラッター描写や残酷極まりないハードなバイオレンス描写もなかなか良い出来栄えであるため、しっかりと味わって頂きたい。

 問題は、中盤を過ぎたあたりで観られる中世を舞台にした史劇スペクタル作品の要素だ。しかもこのシーンはまだるっこくてモタモタさを感じさせるため、面白さがパワーダウンのマイナスポイントだ。やりたいことを詰め込みすぎた結果、マズい部分が浮き出てしまったという結果だ。どうせやるなら、もっと張り切って面白さを存分に追求して描いて欲しかったものだ。本作最大の痛手であり、ツッコミ所ではあるが、このツッコミ所も面白さの一つだと捉えることもできる。そういう感じで観ると少しはマシかもだ。私は、この中世史劇風味にはクスっと笑えてしまった。いや、ここでもB級オーラを放っているのだと確信したのである。

 とにかく本作は、好き嫌いがはっきり分かれるような賛否両論的作品だと言いたい。B級娯楽映画ファン、マニアは見逃すわけにはいかない必見作だ。また、ローナ・ミトラの最強美女戦士ぶりもかなり良いので、肉食系美女に萌えるような男性にもオススメだ!!

佐々木貴之

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