トロピック・サンダー/史上最低の作戦 - 岡本太陽

ベトナム戦争映画をパロディったサバイバルコメディ!(80点)

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 1970年代、80年代には『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』『フルメタル・ジャケット』『プラトーン』『カジュアリティーズ』等ベトナム戦争を題材にした代表的な映画が多く作られた。そして誰しもそれらの忘れられないシーンが記憶に残っているはず。2008年夏は『ダークナイト』フィーバーが押し寄せた。新しいバットマン映画の熱がようやく治まりを迎えつつある今日、ベトナム戦争を題材にした映画をパロディしつつ、全くオリジナルのストーリーのユニークな映画が公開された。その映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦(原題:TROPIC THUNDER)』は今夏最後の切り札だ。

 " フォー・リーフ"・テイバックと呼ばれるベトナム戦争帰還兵の伝記小説の映画化のため、映画監督ダミアン・コックバーンのもとにアクション・スターのタグ・スピードマン、アカデミー賞を5度も受賞しているカーク・ラザラス、コメディアンのジェフ・ポートノイ、ラッパーのアルパ・チーノ、個性的な俳優ケヴィン・サンダスキーが集まった。しかし予算の関係で撮影は難航。テイバックの提案でコックバーン監督はヘリで5人の俳優をジャングルの中へ連れて行き、リアルさを追求するためゲリラ撮影を始めようとするのだが、実はそこは本物の戦場だった…。

 『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』の監督を務めるのは主人公タグ・スピードマンを演じるベン・スティラー。『ナイトミュージアム』というヒット作はあったものの、ここ数年イマイチ目立った活躍が見られなかったスティラー氏。俳優業を控え取り組んでいた作品がこの『トロピック・サンダー』だ。彼は今までに『リアリティ・バイツ』や『ズーランダー』等の監督も手掛け、俳優業よりもむしろ監督業の方が定評があるゆえ、彼の監督最新作には期待が掛かる。また本作の脚本はスティーブン・スピルバーグ監督作『太陽の帝国』撮影中にアイデアをひらめいたベン・スティラーと共同で、イタン・コーエンと俳優のジャスティン・セローが執筆している。スクリーンの中にジャスティン・セローを見る事が出来ないのが残念な点だ。

 ベン・スティラー演じるタグ・スピードマンは現在落ち目の俳優。『スコーチャー』というアクション映画で俳優としての地位を確立した彼だが、『シンプル・ジャック』という『フォレスト・ガンプ』にも似た障害のある主人公を演じ、大不評を買ってしまった。そこで起死回生で挑むのが超大作ベトナム戦争映画『トロピック・サンダー』なのだ。そしてそのタグ・スピードマンを脇で支えるのはロバート・ダウニー・Jr.扮するカーク・ラザラスとジャック・ブラック扮するジェフ・ポートノイだ。特にこの映画で話題をさらうのは『アイアンマン』でその存在感を見せつけたロバート・ダウニー・Jr.だ。彼が演じるカーク・ラザラスは白人だが、黒人の役を演じるために肌の色を変えるという奇跡的な手術に成功している。肌の黒いのロバート・ダウニー・Jr.には大注目だ。

 このベトナム戦争映画のパロディには実に多くの有名な俳優が出演している。映画化される小説を書いたベトナム帰還兵テイバックをニック・ノルティ、彼に半ば脅される映画監督コックバーンをいつもなんとなく胡散臭い雰囲気を漂わせる個性は俳優スティーヴ・クーガン、その映画に出演する個性派俳優を『ミリオンダラー・ベイビー』や『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』に出演していたジェイ・バルチェル、特殊効果のスペシャリストをダニー・マクブライド、ラッパーのアルパ・チーノをブランドン・T・ジャクソン、タグ・スピードマンのエージェントをマシュー・マコノヒーが演じる等、本作は錚々たる顔ぶれの作品となっている。

 また、トム・クルーズが特殊メイクを施して出演している事でも話題になっているのだが、『トロピック・サンダー』で彼はここ数年で1番良い仕事をしている。彼の容姿はなんと太っちょでハゲ面。彼は映画の総指揮を執っているという役柄で怖いもの知らずの馬鹿馬鹿しいキャラクターが印象的だ。トム・クルーズに対しあまり好感を持っていない人でもこの映画を観れば彼を見直してしまうだろう。クールな役より、馬鹿馬鹿しい役でその才能を発揮するトム・クルーズは本作の目玉の1つでもある。

 本作はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが監督した『グラインドハウス』の中にもある嘘の映画の予告編と同じ様にスピードマン、ポートノイ、ラザラスが出演する3つの映画の予告編で幕を開ける(アルパ・チーノが登場する新しいエナジー・ドリンクのCMがまず最初に流れる)。スピードマンのものはSFアクション風、ポートノイのものは『ナッティ・プロフェッサー』の様に1人で家族全員を演じるコメディ、そしてラザラスのものは『ブロークバック・マウンテン』のパロディ風で、ラザラスがトビー・マグワイアとゲイの神父を演じる予告編となっている。アルパ・チーノのCMが流れる時点ではスクリーン上で何が起こっているのか見当が付かないが、本編が始まる前から爆笑させられるオープニングは非常にハマってしまう。

 アメリカでは2007年にエドガー・ライト監督の『ホット・ファズ?俺たちスーパーポリスメン!?』という映画が公開された。これはアメリカのポリス・アクション映画をパロディったオリジナルストーリーで人気を博した。そしてこの2008年夏の『トロピック・サンダー』は『ホット・ファズ』に通ずるものを感じずにはいられない。まずパロディ映画である点もそうだが、『ホット・ファズ』の様にどんちゃん騒ぎのラストが用意されており、観客の興奮はクライマックスに達する。また男の友情系映画としての楽しむ事が出来るだろう。

 今年の米国の夏は『アイアンマン』旋風に始まり、次に『ダークナイト』が揺るぎない存在感を露にした。バットマンの新作は公開されてからというもの、その人気は衰える事なく、今夏公開された大作が全てその引き立て役に見えてしまう程だった。しかし、ここへ来て『トロピック・サンダー』が公開され、その冗談の様な設定と馬鹿馬鹿しいギャグ満載のその映画が人々を魅了している。今年のサマーシーズンの映画はこのハイテンション・サバイバルコメディで締めだ!

岡本太陽

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