トランスポーター3 アンリミテッド - 小梶勝男

◆いつもながらの車、格闘アクション、美女の3点セット(67点)

 プロの運び屋フランクを主人公にした「トランスポーター」シリーズの第3弾。製作・脚本を兼ねるリュック・ベッソンが大好きな「車、格闘アクション、美女」の3点セットがいつも通りきっちりと揃っている。

今回、フランクは自分の運転する愛車アウディから20メートル離れると爆発するブレスレッドをつけられ、嫌々ながら、赤毛の美女を運ばされる。美女の腕にも同じブレスレッド。2人で依頼者が指示するままに、ヨーロッパを疾走させられる。

 前2作と比べ、とにかく派手になった。ブレスレッドを着けたまま車を奪われたフランクは、自転車で必死に追いかける。「近道」するために他人の部屋の中を通り、屋根から屋根へジャンプ。あり得ないアクションを平気で見せる。そして、見どころの一つでもある「ワイシャツ・ストリップ・アクション」。ワイシャツを脱ぎつつ格闘し、ワイシャツを使って敵の手を縛ったり、動きを封じ込めたりするのである。

その姿は「カッコいい」という表現から少しずれている。アクションは凄いのだが、凄すぎて笑ってしまうのだ。

 そういう映画を「バカバカしくてカッコいい」という意味で「バカカッコいい」と呼んでいる。あくまでも「カッコいい」のが基本だ。千葉真一の「殺人拳」シリーズや、「DOA/デッド・オア・アライブ」などを思い浮かべてほしい。

 そんなバカカッコよさが、実に楽しい。主演のジェイスン・ステイサムの表情がクールであればあるほど、可笑しくなってくる。

 ただし、今回の美女、ナターリア・ルダコワは余り好みではなかった。また、トレーラー2台にはさまれながら方輪走行したり、列車に向かって飛び込んだり、カー・アクションは派手なのだが、荒唐無稽でリアルな迫力が感じられない。肉体を使ったアクションの場合、どんなに非現実的でも凄さは伝わってくるのだが、車の場合は現実の感覚から余りに離れると、アクションの緊張感がなくなってしまう。

小梶勝男

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