トランスポーター3 アンリミテッド - 佐々木貴之

◆新鮮さを感じさせるための工夫が施されている(80点)

 現在、最もノッている英国人アクションスター、ジェイソン・ステイサムの痛快アクションシリーズ『トランスポーター』シリーズの第三弾。監督は、前二作を手懸けたルイ・レテリエに代わってオリヴィエ・メガトン。

 運び屋フランク(ジェイソン・ステイサム)は、ジョンソン(ロバート・ネッパー)という依頼主に車から20メートル離れると爆破してしまう装置が仕込まれた特殊ブレスレットを腕にはめられてしまい、同じブレスレットをはめている赤毛のロシア人美女ヴァレンティーナ(ナターシャ・ルドコワ)とともにドイツを目指す。依頼品は“赤い代物”で、その依頼の裏には有毒廃棄物を扱う国際廃棄物管理会社による世界規模の陰謀が隠されていた。

 今回も見せ場である数々のアクションシーンが用意されており、実にどれを取っても面白いものばかりである。

 まずは、フランクが自宅でTVを観てくつろいでいる最中に突如車が部屋に突っ込んでくるシーンに度肝を抜かされ、続く救急車の爆破に圧倒されてしまう。

 そして、このシリーズのお約束であるフランクのキレ味抜群の格闘アクションが観られる。今回もアクションサポートをコーリー・ユンが担当しており、歯切れの良いカッティングや目まぐるしいカメラワークが効果を発揮し、前二作同様に見応え抜群の凄まじい格闘アクションへと仕立て上げている。この格闘アクションでは、フランクが服を脱ぎ捨てるストリップファイトなる新ネタが披露され、『デス・レース』でも観られた研ぎ澄まされたセクシーな筋肉美がまたまた観られるのである。これがフランクの強さを一段とアピールしていると同時に、男臭いステイサムの魅力を光らせている。また、K-1ファイターや総合格闘家として日本でも有名なセーム・シュルト扮するザ・ジャイアントとのタイマン勝負も格闘シーンにおける最大の見所であり、巨体を活かしたそのまんまのキャラで観る者に重い衝撃と破壊力を感じさせる攻撃がフランクをとことん追いつめる。

 中盤あたりでは、格闘アクションに次いでのお約束事であるカーチェイスが味わえ、これがまたスピーディーかつテンポ良く描かれている。ここでもインパクトが強すぎるネタが用意されている。それは、トレーラー二台の間を片輪だけで走行させるというアクロバティックなカーアクションである。新鮮さを感じさせるための工夫が施されていることがわかり、ユニークなアイデアを取り入れて面白く魅せつけてくれた点は、高く評価したい。

 他にも自転車を使ったエキサイティングなアクションや、水中に車ごとダイブしてしまったフランクの巧妙な脱出シーンといった強烈過ぎて忘れられないようなシーンが観られ、ラストの列車内での決戦まで荒唐無稽丸出しの迫力を思う存分に楽しませてくれる。

 アクション以外では、ヴァレンティーナがフランクに惹かれ、お互いに良い関係になってしまうシーンがしっかりと描けており、観る者に甘くて安らかな一時を味わわせてくれる。

 ヴァレンティーナ役のナターシャ・ルドコワは元々は美容師をやっていたのである。このヒロイン役は、製作のリュック・ベッソンが街でナンパしたことがきっかけなのである。キツい目がセクシーさを醸し出していてロシア美女であることに頷けるが、それよりも顔中のソバカスが強く印象に残ってしまう。このソバカス・セクシー美女は、ベッソンの趣味丸出しだ。

佐々木貴之

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