ディセント2 - 小梶勝男

◆秀作「ディセント」の非常にオーソドックスな続編。ゴア度は前作に劣らない。洞窟内でのスリリングな攻防は、閉所恐怖症になりそうなほどの迫力があった(67点)

 ニール・マーシャルが監督した前作「ディセント」は秀作だった。冒頭の交通事故の場面から、異様な迫力があった。ホラーは暗闇や狭い場所を描くことが多いが、これがヘタだと何が何だか分からず、見ていられない。だが、暗闇や狭い場所を描くのは、映画としては結構難しい。そこを、実に巧みに描いていた。そして、洞窟の闇と、主人公の「心の闇」が重なっていくのがスリリングだった。女主人公は「事故」を忘れようと洞窟を探検するが、地の底で、忘れようとしていた「心の闇」に出合う。女同士の微妙な関係や疑心暗鬼も、ふだんは抑圧している「闇」の部分として表現されていた。そんな「闇」の実在化が、モンスターなのかも知れない。リドリー・スコットの名作「エイリアン」(1979)の主人公リプリーが、宇宙空間という闇で、自らの深層心理に直面したように。

 前作のラストの直後から始まる「ディセント2」は、いろんな意味で非常にオーソドックスな続編だ。ニール・マーシャルに代わって監督を務めたジョン・ハリスは、1作目のセカンド・ユニット監督だったという。前作を超えようという野心はなかったようだ。ひたすら1作目の繰り返しを目指しているように思える。それはそれで、続編としては正しい態度なのかも知れない。

 前作で行方不明となった6人の女性を捜索する場面から物語は始まる。アパラチア山脈の山中で、1人だけ血まみれで生還したサラ(シャウナ・マクドナルド)が発見される。残りの5人を見つけるため、保安官とその助手、救助チームらが、サラと一緒に洞窟へ向かうが、中ではモンスターが待ち受けていた。

 ニール・マーシャルが描いた深い闇の描写は、本作には希薄だ。闇の深さよりもむしろ、光に照らされた人物ばかりを描こうとしているように思えた。また、前作にあった、女性たちの心の闇と洞窟の闇がシンクロしていく面白さもない。その代わり、半ば崩壊した死体や、地下のモンスターに殺される犠牲者のゴア描写を、きっちりと、リアルに描いている。狭い場所でのスリリングな攻防も迫力があり、閉所恐怖症になりそうなくらいだ。

 女性たちは気の毒なくらいに血にまみれ、体液にまみれ、モンスターの糞尿にもまみれて、とことんまで汚される。その容赦のなさはある意味見事だった。前作のような心理的な深みをこの続編に求めるのは酷なのかも知れない。それなら、もっと思い切り描写を派手にして欲しかったのだが、そうはなっていないのが惜しい。

小梶勝男

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