ゾンビアス - 佐々木貴之

ゾンビ映画を通り越してファンタジー作品風味となっているのも面白いポイントだ。(点数 70点)


(C)2011 GAMBIT

相変わらず盛んで様々な趣向が凝らされているゾンビ映画。またまたトンでもないゾンビ映画が誕生した。しかも、外国映画ではなくて日本映画。

女子高生の恵(中村有沙)はいじめで自殺した妹の死を考えすぎ、これを乗り越えられずにいた。そんなとき、先輩の亜矢(菅野麻由)に誘われ、直井(ダニー)、タケ(岸建太郎)、真希(護あさな)と川へキャンプに出かける。その目的は、モデル志望の真希がスーパーモデル御用達のダイエットに効果抜群という寄生虫のサナダムシを探すためであった。真希が釣った魚に寄生していたサナダムシを丸飲みした直後、「コラ~!!」と怒鳴り叫ぶゾンビに遭遇し、一行はその場を去ろうとするが、サナダムシを飲んだ真希は極度の腹痛を訴え、止まらぬ屁をこきまくりながら近くのボットン便所に駆け込む。そこで便器の奥底から糞まみれのゾンビが出現!!真希は逃げ出したが、糞まみれゾンビ“ウン・デッド”に包囲されてしまう…。

監督の井口昇と言えば、現在では様々な娯楽作品を世に送り出し、その鬼才ぶりが認知されている。だが、彼は元々AV作品でデビューしており、その頃に手懸けていたのはスカトロ作品という、言わば糞などの汚物をネタにしたモノであった。本作は井口監督のAV時代のキャリアを活かせた作品であり、糞や屁といった汚らしさにまみれているのが特徴。でも、糞とゾンビの融合が目新しさであると同時に、ブッ跳んだ面白さでもある。

ウン・デッドはノロノロと歩くが、ある時は四つん這いの状態から膝を少し上げて後ろ歩きしながら人々を襲撃する。これまでにも突っ走るゾンビや天井を這い回るゾンビも観られたが、このようなユニークな姿で人々を襲うゾンビも始めて見た。しかも、このウン・デッドたちは肛門から奇妙な牙が先端部に付いたサナダムシ風の生物が飛び出す。ゾンビに加えて新たなる不気味な生物の出現がさらに面白さを倍増させる。

ゾンビによる恐怖やグロ描写だけではない。恵とゾンビのバトルというアクションシーンをしっかりと描いていることだ。ショットガンでウン・デッドの弱点である頭部をブッ飛ばすといった武器を駆使したモノだけでなく、身体を張った格闘アクションも惜しみなく描いている。クライマックスの空中戦は、ゾンビ映画を通り越してファンタジー作品風味となっているのも面白いポイントだ。

『おっぱいゾンビ』に『レイプゾンビ』と世の中に低俗なゾンビ映画は確かに存在するが、エログロナンセンスの三拍子が揃ったこんなクソッタレゾンビ映画…恐らく世界初ではないか?!

佐々木貴之

【おすすめサイト】