ソウル・サーファー - 青森 学

サーファーのためだけの映画という訳でもなく、困難に立ち向かったひとりの人間の大きな物語という点で共感できた。(点数 77点)


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ハワイでプロのサーファーを目指す13歳の少女がサーフィン中に鮫に左腕を咬まれて瀕死の重傷を負いながらもサーフィンを諦めることなく復帰する実話を基にした作品。
映画を観て思ったのは当然サーフィンをしているシーンが多いのだが、映画が描き出そうしているのは表層的なサーフィンの面白さだけではなさそうだ。もちろんヒロインであるベサニー・ハミルトン(アナソフィア・ロブ)が事故に遭い、片腕を失いつつもサーフィンを諦めない意志の強さや、それを支える家族愛というのもそうだと思う。

ただ、映画ではそれだけではなく、サーフィンそのものの神性をもつまびらかにしているようだ。
元来、サーフィンとは海岸線を持つ文化圏で自然発生的に始まったようなのだが、昔のハワイではサーフィンとは王族のみが嗜むことを許されたスポーツで、またポリネシアでは民族儀式としてのサーフィンがあったそうだ。サーフィンとは神とのチャネルを開く神事だったのである。

気象次第でどんな波が来るのか分らないサーフィンと、人生において見舞われるであろう困難がリンクして背後に隠れている。
ベサニーが波に向かってパドリングする姿はそのまま人間が神の試練に立ち向かう態度にオーバーラップされる。
映画の要所要所でヒロインや家族が耐えようもない悲しみや困難に直面すると神に祈り救いを求めている。伝道師のサラ(キャリー・アンダーウッド)がベサニーに諭すように言い聞かせるのはこの困難は神の計画のうちなのだと。
ずいぶん抹香臭い気がしたが、現実の話しよりかはかなり希釈されているようだ。しかし、サーフィンの本来の意味を含めて考えると、この宗教色とは切り離せない関係がある。

中盤、ベサニーがサラと共にスマトラ島沖地震で被災したタイを慰問するのだが、ベサニーは愛しつつも事故で腕を失った海への複雑な感情と、同じく津波で親を失った子供に共感に近い深い同情の念を抱く。この不可抗力である自然(神)の所為を受け入れて再びボードを握る決意に多くの台詞は不要だ。それが人間というものなのだから。ベサニーは失った左腕の障碍を克服する事によって、サーフィンのみならず人生の達人になったことを意味する。
サーフィンというものはいつ来るのか分からない波を待ち、自然恃みのスポーツなので、全ての事象に対してどこか敬虔さを持っているのは気のせいではないと思う。たぶん心底サーフィンに惚れ込んでいる人はきっとこのハミルトン一家のような人たちなのだろう。

誰もが人生の波に向かってパドリングしている。
この映画は単なるサーフィン映画に留まることなく、”サーフィン”を触媒にして人生の意味に肉薄するスケール感がある。

青森 学

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