セカンドバージン - 福本次郎

恋に悩むるいの表情は美しい。(点数 40点)


(C)2011 映画「セカンドバージン」製作委員会

すべてを失って人生のどん底に突き落とされた男を励まそうとする女。
その、元気づけようとする態度が明るいほど、男のプライドは傷つき
重荷になっていく。そんな、家庭を持てず仕事一筋に生きてきたヒロ
インには人の痛みに鈍感で、それが17歳も年下の恋人には耐えられな
い。映画は年齢の離れたカップルのすれ違いを通じて、世代的な価値
観が異なる者同士が愛し合うことの難しさを描く。会社では有能でも
男女の機微には疎い中年女の一途な愛が痛々しい。

【ネタバレ注意】

マレーシアで瀕死の重傷を負った行のベッドに付き添って、るいは献
身的に面倒をみる。ふたりには同棲していた過去があるが、行が怪し
げなチャイナファンドに手を出して以降、日本から姿を消していた。

るいは辣腕編集者、行はネット証券会の寵児、ふたりは行の本の出版
を通じて急接近する。初めのうち、るいが何度も行の誘いを断るのは、
彼女が恋愛に対して臆病になっているからだろう。忘れていた感覚と
からかわれているのではという不安、一方で若い男からストレートに
言い寄られて悪い気はしない。ときめきとためらい、そのあたりの恋
に悩むるいの表情は美しい。

だが、編集者としてのるいの存在感はかなり無理があり、「顰蹙はお金
を出してでも買う」とか「石橋は叩き壊してから渡れ」などの某出版社
社長の言葉を臆面もなく口にする場面は、取ってつけたような不自然
さだった。

福本次郎

【おすすめサイト】