スノーホワイト - 樺沢 紫苑

骨太なファンタジーのエッセンスを持った作品。(点数 70点)


(C)2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

悪に立ち向かい戦うヒロインという、今までとは全く違う、
新しい白雪姫のイメージを作り上げた作品。

もっとエンタメ色の強い作品かと思いましたが、
アイルランド・ロケで良い風景を撮っているし、
セットもそこそこ豪華だし、ラストの攻城戦のアクションも迫力があり、
なかなか骨太な作品に作られおり、予想外に良かったです。

「鏡」「小人」「毒リンゴ」など、お約束ともいえる
「白雪姫」の構成要素をオリジナルの解釈もいれながら、
うまく映画に取り込んでいると言えるでしょう。

この映画のテーマは、おそらく「生」でしょう。
「生命」「生命力」という意味を含めた「生」。

「生」との対極は普通は「死」であるわけですが、
この映画では「老」になっています。

「老い」によって「美」が失われることを恐怖するラヴェンナ
(シャーリーズ・セロン)と、「生命力」の象徴であるスノーホワイト
(クリステン・スチュワート)が対比されるのです。

ラヴェンナの「老」を防ぐための魔法を駆使した、
涙ぐましい努力の数々。

これをみて、最近の少々過熱気味の「アンチエイジング」
ブームを思い出しました。

「老い」というのは防げるものではないのです。
それを防ごうとするのは、むしろ滑稽ではないかと。

「老い」を防ぐのではなく、「生命力」を高める。
本来、人間や生物が持っている「生きる力」を高める
というのはわかります。

そして、その「生命力」を阻害する要素を取り除くことで、
病気を予防したり、健康を維持するという。

自分の国を救わなくては、という自分の「使命」に燃える
スノーホワイトが、「生命力」にあふれるように、
使命や生きる目的。そうした精神的なパワーも「生きる力」を
高める要素なっているのもおもしろいと思いました。

「ちょっとおもしろい映画を見たい」という
エンタメ・モードの方にはおすすめできませんが、
「ロード・オブ・ザ・リング」にもつながる
骨太なファンタジーのエッセンスを持った作品と言えるでしょう。

樺沢 紫苑

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