スノーピアサー - 樺沢 紫苑

弾丸列車のようなジェットコースタームービー(点数 80点)


(C)2013 SNOWPIERCER LTD.CO. ALL RIGHTS RESERVED

地球寒冷化によって雪と氷に覆われた地球。
生き残った人類は、弾丸列車
「スノーピアサー」に乗った人々のみ。

しかしその列車、後方には貧民たちが暮らし、前方車両に
行くほど富裕層が暮らす完全な階級社会。

最後方車両の住人カーティスは、仲間ともに反乱を起こし、
ひたすら前の車両に進んでいきます。
そして、前方車両でカーティスが直面する真実とは?

ポイントは、3つ。一つ目のポイントは「RPG」。

『スノーピアサー』、ザックリ言うと、
列車の前方車両にただ進んでいくだけの話です(笑)。

舞台が限定されたソリッド・シュチエーション・
ムービーですが、そこで繰り広げられる
ドラマと謎解きが、緊迫感の中で描かれます。

この作品、ダンジョン(迷宮)を1階ずつクリアして、
次のステージに進んでいく、RPG的なおもしろさを
映画にしたような魅力があります。
次の列車には何があるのか、全くわからない緊迫感。

そして、進むごとに明かされていく「秘密」。
ダンジョンの一番奥には、ボスキャラが待ち受けているように、
列車の先頭車車両には『スノーピアサー』の開発者が
待ち受けるわけですが、果たして反乱を起こした
カーティスたちは、そこまでたどりつけるのか?

「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」で知られる韓国の
鬼才ポン・ジュノが監督したこの作品。

「グエムル」と同様に、これでもか、これでもか、
という感じの盛り上げ演出で、
ラストまで弾丸列車のように突っ走ります。

2つ目のポイントは、「謎解き」。

この映画、いきなり物語がスタートしますが、
「この列車は一体どこを走っているのか?」
「この列車は誰が何の目的で走らせているのか?」
「食べ物はいったいどこから来るのか?」

そもそも、「貧民層の人たちは仕事もしないで、
何の役割も果たしていないのに、
なぜ列車に乗せられているのか?」
と疑問だらけです。

最初は何の説明もない、
「お粗末」な話だなと思うわけですが、
これらの山ほどあった謎が、列車を一つずつ進むごとに
見事に解決されていきます。

最後まで見ると、周到に伏線が貼られた
緻密な映画だったと、
映画の全体像が浮かび上がるのです。

3つ目のポイントは、「生きる」。

それぞれのキャラクターが、それぞれの役割の中で
必死に生きようとしている。

その「生きる」執念というのが、
この映画の一つの見どころです。

そこまでして生きるのか・・・という、生への執念。
そして、人類滅亡を前にして、彼らは生き残ることはできるのか?

雪と氷に閉ざされた「死」の世界で、
彼らは何に「生きる」希望を見出すのでしょうか。

『ナルニア国物語』のティルダ・ウィンストンの怪演ぶりがすごい。
また、『トゥルーマン・ショー』のエド・ハリスが、
イメージ通りの役柄で登場。

『グエムル』のソン・ガンホなど演技陣も見応えがあります。
『スノーピアサー』、韓国では、50億円を売り上げる
大ヒットとなっています。

日本ではイマイチのようですが、
「力強い娯楽映画を見た」という満足感を味わえる作品、
もうすぐ終演なのでお急ぎ、御覧ください。

樺沢 紫苑

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