恐怖を味あわせるより観客の虚を衝いて驚かせる安易なもの。(点数 40点)
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突然の大音響をバックにゴーストフェイスが飛び出してくる。刃渡り
30センチほどの大きなナイフを振りかざし、逃げ遅れた若者は凶刃に
突き刺され絶叫と共に息絶えていく。そんな中、ホラー映画のカルト
クイズで映画ファンのトリビアを刺激しつつ、過去の映画のセオリー
を次々と崩していく設定が新鮮だ。ところがその過程は、鳥肌が立つ
不気味さや目を背けたくなるおどろおどろしさ、背筋が凍る怖さとは
無縁で、恐怖を味あわせるより観客の虚を衝いて驚かせる安易なもの。
【ネタバレ注意】
世間を騒がせた連続殺人事件の生き残り・シドニーは、体験を元にし
た小説で売れっ子作家となっていた。彼女が本屋でサイン会をしてい
るころ、小説の状況を彷彿させる女子高生惨殺事件が発生する。
2人の少女がダベっている部屋に何度も怪しげな電話がかかり、彼女た
ちが脅えた末に血しぶきをあげるプロローグをしつこく繰り返すこと
で、どういう展開が待ち受けているのか期待させる。だが本編に入る
と、電話での殺人予告の後にゴーストフェイスが現れるお決まりのパ
ターン。さらに数人の犠牲者が出て、犯人像がますます絞りきれなく
なる。
この手の作品にディテールの矛盾を指摘するのは野暮。それでも唐突
に訪れる「謎解き」シーンにはあいた口がふさがらない。主要な登場
人物が一堂に会したところでゴーストフェイスが正体を見せるのだが、
予想外というよりあまりの強引さに言葉を失った。。。
(福本次郎)