ジュリー&ジュリア - 佐々木貴之

◆二つのストーリーを面白可笑しいコメディーテイストを取り入れて描いている(75点)

 今から約五十年前、フランス料理を一般家庭でも作れるようにと524にも及ぶレシピを載せた本を出版して、“食卓の革命家”として話題になってTV料理番組にも出演するようになった伝説の料理研究家、ジュリア・チャイルド。そんな彼女に影響を受けて、524のレシピを一年間で制覇するべく日々料理に励んで、その都度ブログに掲載している現代の冴えないOLジュリー・パウエル。この二人の女性のドラマを並行して描いたノーラ・エフロン監督作品。

 二つのストーリーを面白可笑しいコメディーテイストを取り入れて描いているのが面白く、笑いを誘う。中でもメリル・ストリープ扮するジュリアの面白さは最高だ。ジュリアは独特の甲高い声と天真爛漫の陽気なキャラクターが人気を呼んだ。この個性的なキャラをメリルはしっかりと表現することに成功しているのである。とにかくやる事、表情に注目して大いに楽しんで頂きたい。また、エイミー・アダムス扮するジュリーのOLとして、ごく普通の女としての冴えない日々を送りながらも、自身を変えたいと思って一生懸命に料理に取り組む姿もリアリティーを感じさせる。

 二つのストーリーには一つの大きな共通点が存在する。それは、好きな料理に挑んで目標達成を成し遂げるまでに立ち塞がる困難だ。ジュリーもジュリアも困難を乗り越えて幸せを手に掴むが、それは努力と良きパートナー(ジュリーにはクリス・メッシーナ扮するエリック、ジュリアにはスタンリー・トゥッチ扮するポール)の支えがあったからこそなのである。とにかく困難を乗り越えるという描写が見応えのあるドラマに仕立て上げている。また、これが観る者に勇気と希望を与えてくれるのでかなり後味が良い。

 本作は女性のサクセスストーリーであると同時に料理ドラマでもあるため、数々の美味しそうな料理が登場する。チョコレートケーキ、ロブスター、ローストチキンはまさに魅力的だ。このゴージャスな料理が作品に華やかさを持たせていると同時に観る者をより一層楽しませてくれるのである。本作を観た後は、何か美味しいモノを食べたくはずだ。

佐々木貴之

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