ジェニファーズ・ボディ - 渡まち子

◆ホラー映画なのに怖くない。青春映画なのに楽しくない。エロくもなければグロくもない(30点)

 才人ディアブロ・コディの脚本と聞いて大いに期待したが、蓋を開けてみればトホホの出来ばえで、脱力した。とある田舎町に住む、学園一の美女ジェニファーと内気で地味なニーディは幼馴染。正反対の2人はなぜか親友だが、ニーディはジェニファーに振り回されてばかりだ。ある日、2人でライブに出かけるが、そこで火事が勃発。その騒動の最中にバンドのメンバーに連れ去られたジェニファーが戻ってきて以来、街では凄惨な殺人事件が続発する…。

 ホラー映画なのに怖くない。青春映画なのに楽しくない。エロくもなければグロくもない。清純度もビッチ度もあいまいな、あえて言えばキワモノ系ガールズ・ムービーのこの映画を、どう楽しめばいいというのか。対照的な女の子2人のそれぞれの心に潜む残虐性という素材はいい。だが、それをホラーとして料理するためのプロットがあまりにもお粗末だ。売れないバンドが行う謎の儀式によって、ジェニファーは恐ろしい“何か”に変貌する。この闇の儀式やその背景をきちんと描いていれば、せめてホラーとしての軸が出来ただろうに。田舎町で起こる凄惨な殺人事件、ジェニファーの豹変とニーディの覚醒、ついには二人の対決との流れだが、何もかもが言葉足らずだ。若手セクシー女優の筆頭ミーガン・フォックスが、小悪魔ならぬ悪魔のキャラを演じるのは適役かもしれないが、ストーリーがこれでは話にならない。「JUNO/ジュノ」でアカデミー賞脚本賞を受賞したディアブロ・コディは、個性的で魅力的な女の子を独特の筆致で描いたが、本作に“ジュノ”は見当たらない。監督、脚本、ヒロインと、女性パワーが集結したが、期待した化学反応は、生まれなかった。ティーン向け映画ならではのイキが良くてポップな音楽に、こだわりが感じられるのがせめてもの救いかもしれない。

渡まち子

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